【1月19日 AFP】スーダン西部ダルフール(Darfur)地方の紛争および飢餓問題に熱心に取り組んでいる米俳優、ジョージ・クルーニー(George Clooney)さんが18日、国連(United NationsUN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長により国連平和大使に任命された。

 オスカー俳優のクルーニーさんについて国連のミシェル・モンタス(Michele Montas)報道官は、国際的な政治・社会問題への関心を精力的に促してきたと評価。潘事務総長は、「紛争の被害者の痛みを直に見て、暴力と人的被害の解決の力になることを自身の使命とした」と述べ、クルーニーさんの「ダルフール地方への関心を高め、行動を促すための熱意」を称賛した。

 一方クルーニーさんは、「任命を非常に光栄に思う。世界で最も困難かつ危険で悲惨な地域での非常に重要な活動に、人々の支持を得るため国連とともに活動するのを心待ちにしている」と話した。

 生活改善などの国連の取り組みを広く訴える国連平和大使には、クルーニーさんのほかに、ノーベル平和賞受賞作家でホロコースト生還者のエリー・ウィーゼル(Elie Wiesel)さん、中国系アメリカ人のチェロ奏者ヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)さん、米国の俳優マイケル・ダグラス(Michael Douglas)さん、アフリカの霊長類研究で著名な英科学者ジェーン・グドール(Jane Goodall)さん、ヨルダンの故フセイン国王の娘ハヤ・ビント・アル・フセイン(Haya Bint Al Hussein)王女、イスラエルの世界的指揮者でアルゼンチン出身のダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)さん、ブラジルのベストセラー作家、パウロ・コエーリョ(Paulo Coelho)さん、バイオリニストの五嶋みどり(Midori Goto)さんの8人が任命されている。

 国連の統計によると、ダルフール地方では、少なくとも20万人が紛争と飢えと病気で亡くなり、220万人が住む家を追われている。(c)AFP