【10月2日 AFP】ミャンマー入りしている藪中三十二(Mitoji Yabunaka)外務審議官は1日、軍事政権幹部らと会談し、反軍政デモを取材中にジャーナリスト長井健司(Kenji Nagai)さん(50)が射殺された事件の真相究明および長井さんが当時所持していたビデオカメラの返却を要求した。

 藪中審議官は、同国の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんとの面会も求めたが、ミャンマー側の同意は得られていないという。

 1日にミャンマーの新首都ネピドー(Naypyitaw)で行われた会談で、藪中審議官は「日本でも映像がテレビで放送され日本国民は大きな衝撃を受けた。映像を見れば流れ弾ではなく至近距離から撃たれたもの」と語り、長井さんが射殺された件の真相究明を求めた。

 これについてミャンマー側は、デモの混乱の中での「偶発的な」ものだと主張しているという。また、長井さんは取材当時、ソニー(Sony)製のビデオカメラを所持していたが、当局側からは予備として所持していたキャノン(Canon)製カメラしか返却されていなかったという。(c)AFP