【9月6日 AFP】(一部更新)B-52爆撃機が前月30日、核弾頭が搭載された巡航ミサイル6個を載せたまま米国内を飛行していたことが米国防総省の発表で5日明らかになった。

 過失飛行は前月30日、同爆撃機がルイジアナ(Louisiana)州バークスデール(Barksdale)空軍基地に着陸してから発覚、後にジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領に報告されたという。

 空軍関係者によると、ノース・ダコタ(North Dakota)州マイノット(Minot)空軍基地から飛び立った同B-52機は、両翼下に核弾頭搭載の巡航ミサイル6個を載せていたという。国防省当局は、同基地で軍需品を担当していた航空隊司令官を解任し、詳しい調査を開始したと発表。この飛行による安全性への危険はなかったという。空軍担当者は「保有している軍需品は安全で、常に軍の管理下にある」と強調している。

 ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は前月31日午前、マイケル・モーズリー(Michael Moseley)空軍参謀総長(大将)から報告を受けたという。

 核兵器専門家によると、1960年代以降、核兵器を搭載した爆撃機が飛行したとの情報が公表されたのは今回が初めてだという。空軍はコンピューター化された指令システムで核兵器の位置を捕捉し、完璧な所在を即時に把握する態勢をとっている。兵器庫から出され、機体に搭載されて飛行するまで、あらゆる時点で詳細な手続きの下で確認が行われることになっている。この専門家は「今回のことで最も重大なのは、この事件が核兵器の移動を指示する担当者の判断に基づくものだったということで、核兵器の管理システム全体が問題になっている」と語っている。

 核兵器は通常、貨物輸送機で運ばれ、爆撃機の翼に搭載されることはないという。1966年にスペインで、1968年にグリーンランドで核爆撃機の墜落事故が起きて以降、核兵器を搭載した爆撃機の飛行は行われていない。(c)AFP