【6月23日 AFP】テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア(Take-Two Interactive Software)は21日夜、暴力的と批判されているゲームソフト「マンハント2(Manhunt 2)」のリリースを延期すると発表した。同ソフトをめぐっては、すでに欧州の複数の国で販売禁止措置がとられている。

 同日発表された声明の中で同社は「任天堂の『Wii(ウィー)』とソニーの『プレイステーション2(PlayStation2)』向けにリリースする予定だった『マンハント2』の販売を一時的に見合わせ、選択肢を検討する」と述べた。だが、同ゲームの制作者らは同日「この並外れたゲームを引き続き支持する。われわれは、創造的表現の自由と、責任あるマーケティングの存在を信じている。双方とも、すばらしい娯楽を世に送り出す上で不可欠なものだ」と語り、非難を退けている。

 欧州では、7月中旬に「マンハント2」の発売が予定されていたが、販売開始を数週間後に控え、英国、アイルランドおよびイタリアが、「ゲームの残虐性が『暴力と殺人』を助長する」として、販売禁止に踏み切った。

 英国の全英映像等級審査機構(British Board of Film ClassificationBBFC)は19日、同ゲームの販売禁止を決定した。同国でこうした措置がとられるには10年ぶり。その後、アイルランドのIrish Film Censor’s OfficeIFCO)も英国と同様の決定を下した。 

「マンハント2」は、同社傘下のロックスターゲームズ(Rockstar Games Inc)が開発したゲームソフト。暴力的な内容に対する激しい非難が浴びせられた「マンハント(Manhunt)」の続編にあたる作品で、精神障害者の収容施設を舞台にしている。同ゲームを紹介するウェブサイトでは、血まみれの人間が注射器や斧、ナイフを使って互いに攻撃し合い、首を切断するなどの衝撃的なコンピューターグラフィック映像が流されている。

 同サイトによると、「マンハント2」は当初、北米で7月10日、欧州で7月13日にリリースされる予定だった。(c)AFP