【5月26日 AFP】1996年にツール・ド・フランス(Tour de France)を制し、現在はチームCSC(Team CSC)のオーナーを務めるビャルネ・リース(Bjarne Riis、デンマーク)氏は、デンマークの リンビーで記者会見を行い、テレコム(Telekom)に所属していた1993年から98年にかけて禁止薬物に指定されているエリスロポエチン(EPO)を使用していたことを告白した。

 リース氏は会見で「私は禁止薬物を使用していました。私は自らエリスロポエチンを購入し服用しました。チームドクターはこの件には一切関係ありません。この件に関しては絶対に我々選手自身が責任を負うべきです」と告白した。

 リース氏は1993年から98年にかけてエリスロポエチンを使用し、当時大会5連覇中だったミゲル・アンヘル・インドゥライン・ララヤ(Miguel Angel Indurain Larraya)を抑え優勝を果たした1996年のツール・ド・フランスでもエリスロポエチンを使用していた事を明かした。

 記者から「ツール・ド・フランスのチャンピオンとしてふさわしかったでしょうか?」と問われたリースは「いいえ、ふさわしくなかったでしょう。しかし、当時は薬物を見抜くテストも無かったし、エリスロポエチンは選手の間に広く出回っていました」と答え、1990年代に選手の薬物使用を見抜く方法が存在していなかったことを明かした。

 テレコム(現TモバイルT-Mobile)は1996、97年に当時全盛期を迎え、1997年にはヤン・ウルリッヒ(Jan Ullrich、ドイツ)もテレコムの選手としてツール・ド・フランスを制した。しかしウルリッヒが2006年のツール・ド・フランスでドーピングに関与したとされ、チームを解雇されて以来、Tモバイルはドーピングに関わったチームスタッフや選手を徹底的にチームから排除した。

 リースと当時のチームメイトだった何人かが、禁止薬物の使用を告白し、過去15年で最高の選手の一人とされるドイツのエリック・ツァベル(Erik Zabel)氏もその中の一人であり、ツァベル氏も薬物の使用を認めた。

 リース氏は「過去をきちんと告白して、きれいになりたかった。私は選手としての結果やチームのオーナーを務めている事に誇りを持っている」と語った。(c)AFP