【5月26日 AFP】5月16日に開幕を迎えた第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)では、世界中の国々の作品を上映するイベント「All The World’s FilmsTous Les Cinemas du Monde)」が開かれた。同イベントは、インドやレバノン、ポーランド、アフリカ、コロンビア、スロベニアなどの作品にスポットライトを当てたもの。

■様々な国の映画に焦点

 主催者のSerge Sobczynski氏は、イベントの由来について「カンヌ映画祭運営代表者のジル・ヤコブ(Gilles Jacob)氏が、今までカンヌ映画祭に縁がなかった国々の作品をカンヌへ連れてくるための方法として提案した」と語った。

 同映画祭に出品される作品のうち数点は、最高賞であるパルム・ドール(Palme d’Or)を狙うコンペティション部門や監督週間に出品されたもの。これらの作品は、文化的多様性ではなく芸術的価値という点から厳密に選択されている。

■「映画界の壁を無くしたい」

 「自国の出来事を反映する作品を選択すること、すなわち、グルーバルなビジョンを持つ作品を選択するのがヤコブ氏の目的だ。我々は、地球の4大陸全ての映画をカンヌで上映したいと考えている。貧困や豊かさ、国の大小に関わらず作品を選び、映画界の壁を無くしたい」とSobczynski氏。

 今回で3回目を迎える同イベントは、過去22か国の作品を上映してきた。巨大映画産業“ボリウッド”を有するインドにとって今年のカンヌ映画祭は、インド独立60周年記念と重なることもあり特別な映画祭になるといわれている。このイベントではインドの他にもレバノン、ポーランド、コロンビア、スロベニア、アンゴラ、ケニア、ギニアなどの国々で制作された映画も上映する予定。

■これを機に活躍のチャンスを得た監督も

 アフリカ諸国の作品も大きな注目を集めている。アンゴラ出身のZeze Gamboa監督による『O Heroi』は、自身の脚を失い軍隊から解雇された男の話。

 このイベントは国際的な舞台として機能すると共に若い映画監督にとってチャンスを掴む格好の場となる。昨年カンヌでドキュメンタリー映画『VHS Kahloucha』を発表し、上映後にロバート・レッドフォード(Robert Redford)主催のサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)を含む幾つかの映画祭から招待を受けたチュニジア出身のナジブ・ベルカディ(Nejib Belkadhi)監督もその一人となっている。(c)AFP