【カンヌ/フランス 21日 AFP】ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は20日、第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)のフェスティバル・パレス(Festival Palace)で行われた祝賀式典で、同映画祭の継続的な成功はフランスの文化遺産保護につながっていると語り、自国の文化特例政策を称賛した。

■60回目を迎えた映画祭を祝福

 記念すべき60回目を迎えた同映画祭に際し、サルコジ大統領から映画祭運営代表者のジル・ヤコブ(Gilles Jacob)氏へ宛てたメッセージが、クリスティーヌ・アルバネル(Christine Albanel)文化・通信相によって読み上げられた。
 映画祭は「映画が大きな家族だという生きた証しだ。映画祭は通常の意味において、映画監督、脚本家、制作者、技術者を結びつけるだけでなく、世界中の人々を結びつける普遍的な家族だといえる」
 第63回ヴェネチア国際映画祭(63rd Venice International Film Festival)で金獅子賞を獲得したジャ・ジャンクー(Jia Zhang Ke)監督の『長江哀歌(Still Life)』、フランソワ・トリュフォー(Francois Truffaut)監督の『大人は判ってくれない(The 400 Blows)』、ミケランジェロ・アントニオーニ(Michelangelo Antonioni)監督の『欲望(BlowUp)』、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)監督の『タクシードライバー(Taxi Driver)』、第79回アカデミー賞(The 79th Academy Awards)にノミネートされた仏映画『Days of Glory』などの、さまざまな受賞作品を例に挙げながら、サルコジ大統領は論じた。

■文化特例政策を擁護

 大統領はまた、フランスの文化特例政策を擁護した。フランスではこの政策の下、国産映画の支援だけでなく、海外作品のテレビ放映制限が行われている。また全興行収入の何割かを新作制作の資金に充てている。
 大統領は「現代のクリエイティブな活動を活性化する文化特例政策を具体化し、擁護するフランスに誇りを感じる」と続け、「フランスはこの映画の財政支援方法を守らねばならず、単なる助成金としてはならない」と語った。さらに「文化特例政策は興行収入の好循環を生んでおり、この財源が制作活動を活性化している」とつけ加えた。
 欧州各国の映画市場でアメリカ映画は軒並み90%のシェアを占めるが、フランスでは2006年時点で45.8%にとどまっている。
 サルコジ大統領は最後に、新政府として著作権侵害、映画の違法コピーや流通の取り締まりを行うと公約し、「新政府に期待してほしい」と訴えた。

 写真は20日、フェスティバル・パレス(Festival Palace)の祝賀式典でスピーチしたアルバネル文化・通信相(左)と運営代表者のヤコブ氏。(c)AFP/Fred Dufour