デジタル化時代の映画論、カンヌで円卓会議 - フランス
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【カンヌ/フランス 18日 AFP】世界最大の映画祭、第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes Film Festival)で、デジタル化が進む社会での映画の将来について検討する円卓会議が開催された。
2026年のカンヌ映画祭の想像図として、今年のオープニングを飾ったウォン・カーウァイ監督のロードムービー『マイ・ブルーベリー・ナイツ(My Blueberry Nights)』が寝室で編集され、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」に掲載される一方、有名なレッドカーペットのシーンが「セカンドライフ(Second Life)」の黒ネクタイのアバターと一緒に再生されるという筋書きを提示。「これが現実になる日はすぐそこまで迫っている」と業界関係者らが述べた。
英映画業界紙「スクリーン・インターナショナル(Screen International)」の編集者、マイケル・ガビンス(Michael Gubbins)氏は、「デジタル革命はすでに起きている。今日われわれが目撃している変化は、過去100年に起きた変化よりも著しい」と話し、映画業界にとって、デジタル技術の発達で害を被った音楽業界の失敗を繰り返さないことが大事だと指摘した。
これまで人々が映画を見る場所だった映画館は、ユーチューブやマイスペース(MySpace)などのインターネット・コミュニティー、ビデオ・オンデマンド方式の急速な成長、インターネットテレビといった「脅威」に直面している。
一方で、ユーチューブやマイスペースなどのウェブサイトは、「双方向性」という新たな一面を映画界にもたらした。映画評論家の存在感は、ブログの口コミ論評に駆逐されつつある。
現代の十代の若者たちは、かつての若者たちがポスターを寝室の壁に貼ったのと同じ感覚で、好きな映画や俳優の写真をブログに掲載する。米研究者のダナー・ボイド(Danah Boyd)氏は、こうした若者たちは、映画館に行くことなく自宅からネットを通して交流する方法を知っていると述べた。
また、デジタル技術の革新性と創造性によって、副産物的に収益が増える可能性を指摘する声もある。
現在、デジタル技術に詳しい若い視聴者の手でさまざまな映画のリミックスやマッシュアップが行われ、多くが無料で提供されている。著作権侵害を叫ぶより、映画業界はこうした「マッシュアップ映画」がネット上で国境を越えて共有されることで宣伝効果が上がっている現実を見るべきだ、というのだ。
3Dゲームなどのグラフィックエンジンを利用して、制作費を抑えて映画を作る「マシニマ(machinima)」という技術も、最近注目を集めている。
デジタル映画の普及によって、忘れられていた昔の映画を発掘して再び上映されるようになった。評判の悪い新作や失敗作でさえ、ネット上では成功する可能性を秘める。
仏映画配給会社、Films Distributionの共同経営者フランソワ・ヨン(Francois Yon)氏は、アートシアター系映画も好調だと話した。
社会学者のEmmanuel Ethis氏は、「人間は1人で映画を見るより誰かと経験を共有したがる傾向がある」と指摘している。5年にわたって映画鑑賞の傾向に関する調査研究を行う中で出会った1人の男性は、妻と離婚した後、「内容について鑑賞後に話す相手がいなくなったため」に映画館に行かなくなってしまったと話したという。
また、興味深いことに、オンラインデートなどのサービスが映画鑑賞の促進に一役買っていると指摘する。というのも、多くのカップルは、最初のデートの場所に映画館を選ぶからだそうだ。
写真は17日、フェスティバル・パレス(Festival Palace)でデヴィッド・フィンチャー(David Fincher)監督の『ゾディアック(Zodiac%%)』上映会に来場するゲストを待ちかまえるファンたち。(c)AFP/FRED DUFOUR
2026年のカンヌ映画祭の想像図として、今年のオープニングを飾ったウォン・カーウァイ監督のロードムービー『マイ・ブルーベリー・ナイツ(My Blueberry Nights)』が寝室で編集され、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」に掲載される一方、有名なレッドカーペットのシーンが「セカンドライフ(Second Life)」の黒ネクタイのアバターと一緒に再生されるという筋書きを提示。「これが現実になる日はすぐそこまで迫っている」と業界関係者らが述べた。
英映画業界紙「スクリーン・インターナショナル(Screen International)」の編集者、マイケル・ガビンス(Michael Gubbins)氏は、「デジタル革命はすでに起きている。今日われわれが目撃している変化は、過去100年に起きた変化よりも著しい」と話し、映画業界にとって、デジタル技術の発達で害を被った音楽業界の失敗を繰り返さないことが大事だと指摘した。
これまで人々が映画を見る場所だった映画館は、ユーチューブやマイスペース(MySpace)などのインターネット・コミュニティー、ビデオ・オンデマンド方式の急速な成長、インターネットテレビといった「脅威」に直面している。
一方で、ユーチューブやマイスペースなどのウェブサイトは、「双方向性」という新たな一面を映画界にもたらした。映画評論家の存在感は、ブログの口コミ論評に駆逐されつつある。
現代の十代の若者たちは、かつての若者たちがポスターを寝室の壁に貼ったのと同じ感覚で、好きな映画や俳優の写真をブログに掲載する。米研究者のダナー・ボイド(Danah Boyd)氏は、こうした若者たちは、映画館に行くことなく自宅からネットを通して交流する方法を知っていると述べた。
また、デジタル技術の革新性と創造性によって、副産物的に収益が増える可能性を指摘する声もある。
現在、デジタル技術に詳しい若い視聴者の手でさまざまな映画のリミックスやマッシュアップが行われ、多くが無料で提供されている。著作権侵害を叫ぶより、映画業界はこうした「マッシュアップ映画」がネット上で国境を越えて共有されることで宣伝効果が上がっている現実を見るべきだ、というのだ。
3Dゲームなどのグラフィックエンジンを利用して、制作費を抑えて映画を作る「マシニマ(machinima)」という技術も、最近注目を集めている。
デジタル映画の普及によって、忘れられていた昔の映画を発掘して再び上映されるようになった。評判の悪い新作や失敗作でさえ、ネット上では成功する可能性を秘める。
仏映画配給会社、Films Distributionの共同経営者フランソワ・ヨン(Francois Yon)氏は、アートシアター系映画も好調だと話した。
社会学者のEmmanuel Ethis氏は、「人間は1人で映画を見るより誰かと経験を共有したがる傾向がある」と指摘している。5年にわたって映画鑑賞の傾向に関する調査研究を行う中で出会った1人の男性は、妻と離婚した後、「内容について鑑賞後に話す相手がいなくなったため」に映画館に行かなくなってしまったと話したという。
また、興味深いことに、オンラインデートなどのサービスが映画鑑賞の促進に一役買っていると指摘する。というのも、多くのカップルは、最初のデートの場所に映画館を選ぶからだそうだ。
写真は17日、フェスティバル・パレス(Festival Palace)でデヴィッド・フィンチャー(David Fincher)監督の『ゾディアック(Zodiac%%)』上映会に来場するゲストを待ちかまえるファンたち。(c)AFP/FRED DUFOUR