全OS対応のロボット用ソフトウェア誕生 - フランス
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【パリ/フランス 22日 AFP】頼めばいつでも水を持ってきてくれたり、好きな音楽をかければ踊ってくれたりする。そんな「誰か」がいてくれたらどうだろうか。そんな夢をかなえるロボット用ソフトフェアがフランスで開発された。
設立から1年の新興企業ゴスタイ(Gostai)は、ロボットの操作が簡単にできて、すべてのOSに対応するソフトフェアを開発したと発表した。家庭用ロボットが国際市場で大ブームを起こすと予想されている時期に、ソフトウェアの完成がちょうど重なったという。
■簡単な設定でロボットが動かせる
「マイクロソフト(Microsoft)はパソコンにウインドウズ(Windows)を広めたが、同じことをわれわれはロボット分野で行いたい」とゴスタイのジャンクリストフ・ベイリー(Jean-Christophe Baillie)社長(32)は意気込む。
多くの人々にとって、ロボットが日常の雑事をしてくれるというのはSFの中の話のように感じられるかもしれない。だが、一部の国ではそうした分野でのロボット技術の活用が実際的に検討されている。高齢化社会が問題となっている日本や、2010年までの家庭用ロボット導入を目指す韓国などがそうだ。
ゴスタイは話題作りの手段として、開発したソフトフェアUrbiの無料試用版をダウンロードできるようにした。このソフトウェアを使用すれば、デンマークの玩具大手、レゴ(Lego)のロボットを動かすことができる。また世界の25大学のロボット研究用に、このソフトフェアを販売した。
「ロボットの見本市で、12歳くらいの子どもたちが10分もすれば『邪魔しないで』とプログラミングに熱中してしまう」とベイリー氏は言う。
ベイリー氏は最近、ソニーのアイボ(AIBO)を使って、ソフトフェアの性能を披露した。週末の2日間をかけてプログラム設定したアイボは、フランスのポップデュオ、ダフト・パンク(Daft Punk)の曲のリズムに合わせて踊った。同氏によると、プログラムのコードは非常にシンプルで、例えば弾むボールを追いかける動作に必要なコードは3行だけだという。
■汎用性の高いソフトウェアで、マイクロソフトに勝つ
非常に興味深い話ではあるが、ゴスタイの前に立ちはだかる壁もある。マイクロソフトだ。従業員が8人というゴスタイだが、ロボット用ソフトフェア開発のライバルであるマイクロソフトより優位に立つために戦略を立てている。
それは、ソフトフェアを可能な限りシンプルにすることだ。また、マイクロソフトのソフトフェアがウインドウズでの利用に限られるのに対し、ゴスタイのソフトウェアはどのOSにも対応できるため有利だという。
さらに、もう一つの問題が資金繰りだ。投資家らを説得するのは容易ではなく、マイクロソフトとの競合性について常に質問を受ける。
「Urbiをすべてのロボットに導入するという大望を実現するため、わが社は急速に成長する必要がある」とベイリー氏。「基本的な骨格が見えてくれば、皆がアプリケーションを開発するようになり、あっという間に普及するだろう」
写真はパリで20日、写真撮影に応じるベイリー社長(中央)と同社の開発担当者ら。(c)AFP/STEPHANE DE SAKUTIN
設立から1年の新興企業ゴスタイ(Gostai)は、ロボットの操作が簡単にできて、すべてのOSに対応するソフトフェアを開発したと発表した。家庭用ロボットが国際市場で大ブームを起こすと予想されている時期に、ソフトウェアの完成がちょうど重なったという。
■簡単な設定でロボットが動かせる
「マイクロソフト(Microsoft)はパソコンにウインドウズ(Windows)を広めたが、同じことをわれわれはロボット分野で行いたい」とゴスタイのジャンクリストフ・ベイリー(Jean-Christophe Baillie)社長(32)は意気込む。
多くの人々にとって、ロボットが日常の雑事をしてくれるというのはSFの中の話のように感じられるかもしれない。だが、一部の国ではそうした分野でのロボット技術の活用が実際的に検討されている。高齢化社会が問題となっている日本や、2010年までの家庭用ロボット導入を目指す韓国などがそうだ。
ゴスタイは話題作りの手段として、開発したソフトフェアUrbiの無料試用版をダウンロードできるようにした。このソフトウェアを使用すれば、デンマークの玩具大手、レゴ(Lego)のロボットを動かすことができる。また世界の25大学のロボット研究用に、このソフトフェアを販売した。
「ロボットの見本市で、12歳くらいの子どもたちが10分もすれば『邪魔しないで』とプログラミングに熱中してしまう」とベイリー氏は言う。
ベイリー氏は最近、ソニーのアイボ(AIBO)を使って、ソフトフェアの性能を披露した。週末の2日間をかけてプログラム設定したアイボは、フランスのポップデュオ、ダフト・パンク(Daft Punk)の曲のリズムに合わせて踊った。同氏によると、プログラムのコードは非常にシンプルで、例えば弾むボールを追いかける動作に必要なコードは3行だけだという。
■汎用性の高いソフトウェアで、マイクロソフトに勝つ
非常に興味深い話ではあるが、ゴスタイの前に立ちはだかる壁もある。マイクロソフトだ。従業員が8人というゴスタイだが、ロボット用ソフトフェア開発のライバルであるマイクロソフトより優位に立つために戦略を立てている。
それは、ソフトフェアを可能な限りシンプルにすることだ。また、マイクロソフトのソフトフェアがウインドウズでの利用に限られるのに対し、ゴスタイのソフトウェアはどのOSにも対応できるため有利だという。
さらに、もう一つの問題が資金繰りだ。投資家らを説得するのは容易ではなく、マイクロソフトとの競合性について常に質問を受ける。
「Urbiをすべてのロボットに導入するという大望を実現するため、わが社は急速に成長する必要がある」とベイリー氏。「基本的な骨格が見えてくれば、皆がアプリケーションを開発するようになり、あっという間に普及するだろう」
写真はパリで20日、写真撮影に応じるベイリー社長(中央)と同社の開発担当者ら。(c)AFP/STEPHANE DE SAKUTIN