【バルセロナ/スペイン 14日 AFP】バルセロナで12日、「2007年世界3GSM携帯電話会議(3GSM World Congress 2007)」が開幕した。この会議にはサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)の主催者団体も出席し、携帯電話向けに制作された短編映画を配信するプロジェクトのデモンストレーションを行う予定だ。

 この「Global Short Filmプロジェクト」は、「サンダンス・インスティテュート(Sundance Film Institute)」を2006年に設立した俳優のロバート・レッドフォード(Robert Redford)が同年11月に立ち上げたもの。携帯電話のスタンダード方式「GSM」のオペレーターとメーカーの連合協会であるGSMアソシエーション(GSM Association)と提携し、短編映画を携帯電話に配信するという内容。移動体通信とエンタテイメント産業のより一層の歩み寄りを物語るものである。

 携帯電話は、今や、クリエイティブ素材の有力な配信媒体となりつつある。同プロジェクトのプログラム・ディレクターを務めるジョン・クーパー(John Cooper)氏は、「映画制作会社も製作者も、『携帯電話』という従来にはない市場を模索することができる」と、プロジェクトの利点を語った。

 同プロジェクトには映画制作会社6社が参加。2006年にヒットしたインディーズ映画『リトル・ミス・サンシャイン(Little Miss Sunshine)』の監督らも名を連ねる。会議ではプロジェクトに参加する携帯電話会社を複数選び、会議終了後に試験運用に入ると見られる。

■ エンタメ産業の展示スペースも

 この3GSM会議は、携帯電話産業における世界最大のイベントで、今年度は初めて、ヤフー(Yahoo)、MTV、ワーナー・ミュージック(Warner Music)などのエンタメ産業向けの展示スペースが設けられた。

 英ボーダフォン(Vodafone)、米Verizon WirelessNTT DoCoMoなどの携帯各社は、通話以外での用途の拡大を模索している。アナリストは、「音楽、映画、テレビ、ビデオゲーム、そしてインターネットを楽しむことができる携帯電話」に各社の収益増がかかっているとみる。

■ ポルノ業界も熱い視線

 同プロジェクトには、ポルノ映像配信各社も熱い視線を向けている。アダルト・コンテンツは、携帯電話事業者にとっては収入増が見込める一方で、会社のイメージダウンを招くという危険性があり、さらには未成年者を有害サイトから保護する最大限の努力が求められる。米国などではアダルト・コンテンツに関する法規制が存在する。欧州でも、そうしたコンテンツを規制する動きが始まっている。

 ポルノ映像配信会社「Waat」のAdi McAbain氏は、「当業界は、オープン戦を終えて本格的なペナントレースに突入しようという段階だ。携帯電話の画面の大型化、メモリーの大容量化、ダウンロードの高速化により、『2分から5分の長さの』ビデオクリップの需要が大幅に伸びるだろう」と予想した。

 写真は13日、3GSM会議の会場で、携帯電話でビデオをみる人。(c)AFP/LLUIS GENE