<サッカー セリエA>過激派サポーター集団に悩まされるイタリア・サッカー界 - イタリア
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【ローマ/イタリア 4日 AFP】2日に行われたサッカー、イタリア・セリエA・第22節のカターニア(Catania)vsパレルモ(US Citta di Palermo)戦でサポーターの暴動が発生し、現場に駆けつけた警察官一人が死亡した事件を受けイタリアサッカー連盟(Italian Football Federation:FIGC)は9日から11日に行われるセリエAとセリエBの次戦、7日に予定されていたイタリア代表の親善試合を中止する意向を固めた。また、リーグ再開については17日を予定しており再開後の2試合は無観客試合になる可能性も示唆した。正式な発表はジョヴァンナ・メランドリ(Giovanna Melandri)スポーツ・文部科学大臣、イタリア五輪委員会のジャンニ・ペトルー(Gianni Petrucci)会長、イタリアサッカー連盟のルカ・パンカリ(Luca Pancalli)代表らによる対策会議後に決定する。
暴動は、シチリア島を本拠地とするチーム同士の「シチリアダービー」で試合中と試合後の2度に渡り発生し、競技場外で起きた暴動を止めに入ろうとパトカーを降りた警察官のフィリッポ・ラチティ(Filippo Raciti)さんの顔面に過激派サポーター集団「ウルトラ(Ultras)」の一人が投げた小型爆弾が直撃した。その後、運び込まれたガリバルディ病院(Garibaldi Hospital)で死亡が確認された。ラチティさんの葬儀は5日に行われる予定になっている。
■過激派サポーター集団に悩まされるイタリア・サッカー界
カターニアのアントニーノ・プルビレンティ(Antonio Pulvirenti)会長は「(事件について)この様な事件が起きた事は非常に悲しく思う。残念ながらシチリア島には犯罪と暴漢を犯す少数の人々がいる事は事実だ。サポーターの大部分は立派な人々だが、そうでない彼らがピッチ上の選手やその家族、チームに自分達の怒りを爆発させる。クラブは彼らと勝ち目のない戦いをしているのです」と過激派サポーター集団に対してコメントした。
イタリアの過激派サポーター集団は欧州の他のリーグと比べ影響力が強いことで有名で、彼らはさまざまな手段を駆使して無料チケットを入手したり、自由に悪事ができるためアウェーでの試合にも遠征する。また彼らの多くは練習場にも現われ選手を野次ったり、最悪の場合には選手にも攻撃をすることさえもある。
過激派サポーター集団の影響力の強さを証明した顕著な例には2004年3月に行われたローマ(AS Roma)とラツィオ(SS Lazio)が対戦したローマ・ダービーで、試合中に「ローマ・サポーターの少年がスタジアムの外で殺された」と叫んだのが発端でファンがピッチに乱入し会場内で大混乱が起き、試合が中止された事件が挙げられる。後にファンが死んだことは嘘であったことが判明したが、この事件でイタリア・サッカー界における彼らの力が証明される形となった。
■セリエAが抱える課題
セリエAでは、競技場で暴れることを目的とする集団が多いことからビデオでの監視や入場券の購入時に身分証明書の提示、さらには発炎筒や人種差別の横断幕の禁止など暴動を抑制する法律が施行されているが大多数のクラブでは政府から課せられた基準値を現在も満たしていないのが現状であり、今後のセリエAにとって最も大きな課題となっている。
写真は、ローマ五輪スタジアム(Rome Olympic Stadium)前の広場でサッカーをする子供たち。(c)AFP/FILIPPO MONTEFORTE