【オスロ/ノルウェー 6日 AFP】トリノ五輪、アルペンスキー・男子スーパー大回転の金メダリスト、チェーティル・アンドレ・オーモット(Kjetil Andre Aamodt、ノルウェー)が6日、現役引退を表明したことを現地メディアが伝えた。

 オーモットは、テレビ中継されたノルウェー国内における年間最優秀選手(Norwegian athlete of the year)の表彰式で「精神的にも肉体的にも疲れを感じている。それが私が競技からの引退を決めた理由だ。」と突如引退を宣言。また同国のインターネットニュース「Nettavisen」はオーモットが「今が辞めるときなのだと思う。現在35歳で家族もいるから。」と引退の理由を語ったと伝えている。またオーモットは2006年3月にはトリノ五輪の期間中に痛めた膝の手術を行っており、2006-07シーズンには間に合わない可能性があることを発表していた。

 オーモットは、1992年アルベールビル五輪のでは2つのメダル(スーパー大回転で金、大回転で銅)を、また1994年リレハンメル五輪では3つのメダル(滑降と複合で銀、スーパー大回転で銅)を、2002年ソルトレイクシティー五輪ではスーパー大回転と複合で金メダルを獲得しトリノ五輪と合わせ計8つのメダルを獲得、世界選手権でも12個のメダルを獲得するなど輝かしい成績を残してきた。

 1968年グルノーブル五輪の男子アルペンスキーで三冠王に輝いたジャンクロード・キリー(Jean-Claude Killy)氏のような魅力や、1972年インスブルック五輪で金メダルを獲得したフランツ・クラマー(Franz Klammer)氏のようなカリスマ性は持ち合わせていないかもしれないが、オーモットは長期に渡り素晴らしい結果を残し続けてきた。トリノ五輪でプレゼンターを務め、コルティナ五輪でアルペンスキーの3冠を達成したトニー・ザイラー(Toni Sailer)氏から金メダルを授与されたオーモットは、彼らのような王者の風格を持ち合わせていた。「彼(ザイラー)はとても喜んでくれた。私はキリー氏を始め、1980年レーク・プラシッド五輪のアルペンスキーで2冠を達成したインゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark)氏、やトリノ五輪で男子スーパー大回転で銅メダルを獲得したオーストリアのヘルマン・マイヤー(Hermann Maier)のような選手と同様に、ザイラー氏をたいへん尊敬している。」とオーモットは話す。

 1991年の世界選手権のスーパー大回転で銀メダルを獲得し大器の片鱗見せた。翌年のアルベールビル五輪では2ヶ月前に単核球症を患うがスーパー大回転で金メダルを獲得し、アルペン競技においてノルウェーに40年ぶりにメダルをもたらした。また大回転でも銅メダルを獲得し、先に獲得した金メダルがまぐれではないことを証明した。そしてリレハンメル五輪では3つのメダルを獲得、中でも3万人の観衆の前に滑降で米国のトミー・モー(Tommy Moe)に0.04秒遅れで敗れて銀メダルを獲得したことは有名である。

 1996年長野五輪では、スーパー大回転で5位、滑降で13位に沈んだ。この後怪我に苦しんだオーモットであるが、2002年ソルトレイクシティー五輪では、スーパー大回転で、オーストリアのシュテファン・エベルハルター(Stephan Eberharter)やアンドレアス・シフェラー(Andreas Schifferer)を抑えて2度目の金メダルを獲得。また複合では米国のボーディ・ミラー(Bode Miller)を抑え優勝を飾り2冠を達成した。

 写真は、トリノ五輪の男子スーパー大回転で優勝を飾り笑顔をみせるオーモット。(2006年2月18日撮影)(c)AFP/THOMAS COEX