複雑に機能する時計のムーブメントは、もはや小宇宙といっても過言ではない。スーパースポーツカーにとってエンジンが大切なように、時計選びもエンジン=ムーブメントがキモなのだ!
腕時計が搭載するエンジン=ムーブメントが経てきた進化は、まず小型化、そして多機能化、最後が高精度化だ。時計の精度を司る調速脱進機は、ヒゲゼンマイを使って錘(テンワ)を自由振動させることが基本である。
この周期をできるだけ一定に保つほど精度が向上するが、ヒゲゼンマイの向き(巻きだし位置)が変化すると、その中に精度を追い込むことが苦手なポジションが出てくる。これを姿勢差誤差と呼び、そ の影響を平均化しようという試みがトゥールビヨンだ。そして腕時計化が最も困難だった機構の代名詞でもある。
ハリー・ウィンストンが連作する「イストワール・ドゥ・トゥールビヨン」は、先人たちの偉業に敬意を表し、さらなるトゥールビヨンの可能性を追求してきた。
シリーズ最終章となる本作では、4つの1軸トゥールビヨンを差動歯車(ディファレンシャルギア)を介して連結し、より正確な時分表示を目指した。横長のレクタンギュラーケース内には、左右一対のキャリッジを、大きく翼を拡げたようなバランスブリッジで固定。ベゼルを細く絞ったデザインで、腰高な一枚のサファイアクリスタル風防越しにメカニズムが堪能できる。
文=鈴木裕之 写真=近藤正一
(ENGINE2021年1月号)
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