【10月4日 AFP】フランスの著名な精神分析医ジェラール・ミレール被告(77)が、女性6人をレイプした罪で起訴された。被害者のうち3人は未成年時にレイプされたという。

フランスでは性被害を告発する世界的な「#MeToo(私も)」運動を受け、著名人男性が告発される事例が相次いでいる。

ミレール被告は1990年代からラジオやテレビでコメンテーターを務めてきた。

パリ検察庁によると、捜査判事が2日、ミレール被告を2000~2020年の間に6人の女性をレイプした罪で起訴した。被害者のうち3人は15歳以上18歳未満の未成年時にレイプされたという。

ミレール被告は、2000年に別の未成年者をレイプした容疑でも捜査を受けている。

ミレール被告は、医療活動、未成年者との接触、テレビ出演を禁止されている。

ミレール被告は起訴事実を全面的に否認している。

最初の告訴状は昨年初めに提出された。

パリ検察庁は、「最初の告訴に続き、約20人の女性が司法当局に証言し、催眠術セッションの後や酒に酔った夜、あるいは専門家との会合を装った性的な場面について証言した」と述べた。

被害者たちは性的暴行またはレイプの当時、14~25歳だった。時効のため、いくつかの告訴は取り下げられたという。

女性誌エルとニュースサイト「メディアパート」は昨年初め、ミレール被告が1990年代から2020年にかけて性犯罪を犯したという告発を報じた。

ミレール被告は学生やテレビ視聴者の若い女性を誘い、しばしば酒を飲ませたり催眠術をかけたりした後に性的暴行を加えようとしたとされる。

ミレール被告は「誰かを強制したことは一度もない」と述べ、オフィスや自宅で催眠術をかけたことを否定している。

フランスでは近年、著名人男性が告発される事例が相次ぎ、社会を揺るがしている。

あるケースでは、女優のジュディット・ゴドレーシュ氏が、25歳年上の映画監督ブノワ・ジャコー氏に14歳の頃からレイプされたと訴えたが、ジャコー氏は否定している。

ゴドレーシュ氏はその後、フランスの#MeToo運動の象徴となり、文化産業における性的虐待防止の方法をめぐる議論を巻き起こした。

映画界のアイコン、ジェラール・ドパルデュー氏は2021年の映画の撮影現場で女性2人を性的暴行した罪で5月に有罪判決を受けた。2018年に数十歳年下の女優をレイプした罪でも起訴されており、裁判を受ける予定だ。

ドパルデュー氏は両方の判決に対して控訴しており、起訴事実を否定している。(c)AFP