フランス、拷問受けたトルクメニスタン人ゲイ男性への人道ビザ発給を拒否
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【10月1日 AFP】フランスが中央アジア・トルクメニスタンで拷問を受けたゲイ男性への人道ビザ発給を拒否した。人権団体が9月30日、明らかにした。男性が強制送還され、殺害されるのではないかとの懸念が高まっている。
アルスラーンさん(仮名、29)は、同性愛を犯罪とするトルクメニスタン刑法に基づき、2017年から2018年にかけて11か月間服役した。
AFPが最近公開した検証済みの証言によると、アルスラーンさんは刑務所で暴行を受け、他の受刑者から繰り返しレイプされたが、矯正当局は介入を試みさえしなかった。
アルスラーンさんは釈放後、性的指向を理由に、2021年と2022年の2度にわたり精神科施設に収容された。
トルクメニスタンを脱出し、2025年1月から別の国に居住しているが、人道ビザ発給を拒否されたため、亡命申請のためにフランスに渡航することができない。
人権団体「EQUAL PostOst」によると、9月に人道ビザ発給が拒否されたことで、アルスラーンさんは命の危険を感じ始めている。
アルスラーンさんは9月30日、AFPの電話取材で、「捕まり、拉致され、トルクメニスタンに送られ、そこで殺されるのではないかと非常に恐れている」と語った。
アルスランさんの脱出を支援した「EQUAL PostOst」は、アルスラーンさんが今、トルクメニスタンに「強制送還」される危険にさらされており、再び収監され、拷問を受ける可能性があると述べている。
アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウオッチなどの人権団体によると、トルクメニスタンでは、反体制派、批判者、LGBTQ(性的少数派)を迫害しても処罰されることはなく、すべての独立系メディアとNGOは非合法化されている。
近年では、トルクメニスタンに強制送還された活動家が、跡形もなく姿を消す事例も相次いでいる。(c)AFP