韓国政府、大病院経営者や金融関係者ら1000億ウォン規模の株価操縦摘発
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韓国のイ・ジェミョン(李在明)政権が設置した「株価操縦根絶合同行動団」が、総合病院や韓方医院、大規模学習塾を運営する富裕層と金融専門家が結託して手掛けた約1000億ウォン(約105億8000万円)規模の株価操縦事件を摘発した。行動団は関係者の自宅や事務所などを家宅捜索し、資産を凍結。売却前の約1000億ウォン分の株式を市場に放出させないことで、急落を防いだ。
イ・スンウ団長(金融監督院副院長補)は9月23日、ソウル汝矣島の韓国取引所で金融委員会、金融監督院、韓国取引所関係者と共に記者会見を開き、事件の概要を説明した。同日、行動団は7人の容疑者に関する約10カ所を同時に家宅捜索。金融委員会の証券先物委員会は、2024年導入された「支払停止措置」を初めて適用し、関連口座数十件を凍結した。
捜査によれば、私募ファンドの元幹部や証券会社支店長、資産運用会社幹部ら金融専門家3人が、大型病院や学習塾を経営する富裕層4人から法人資金や借入金を通じて1000億ウォンを調達し、コスピ上場銘柄1社を対象に株価を操作した。数万回にわたり高値での仮装取引や通謀売買を繰り返し、株価は1年9カ月で約2倍に上昇した。実際に得た差益は230億ウォン(約24億3340万円)、不当利得は400億ウォン(約42億3200万円)に達するとされる。
ただ、支払停止措置により彼らが保有する株式が一度に市場に流出する事態は防がれた。2023年にはフランスの大手金融機関ソシエテ・ジェネラル証券の売り注文をきっかけに大成ホールディングス、ソウルガスなど8銘柄が暴落した前例がある。今回凍結された口座には評価額約1000億ウォンの株式が残り、現金性資産を合わせると総額は1000億ウォン台半ばに達する。
イ・スンウ団長は「容疑者本人が売却できなくても、関連する口座や一般投資家の売りが重なれば再び下落が続く可能性がある。その場合、韓国取引所と協力して市場措置をとる」と説明した。
今回の摘発は、イ・ジェミョン政権が国政課題とする株価操縦根絶を目的に発足した合同行動団の「第1号事件」となった。金融委員会、金融監督院、韓国取引所の専門人員が連携し、金融監督院が市場監視で異常を発見した2025年3月から調査を開始。その後、合同行動団に移管され迅速な対応が可能となった。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News