【8月13日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は12日、同国軍がパレスチナ自治区ガザ地区への大規模攻撃の準備を進める中、パレスチナ人住民にガザ地区からの退去を許可すると述べた。

紛争で荒廃したガザ地区外への退去を求めるこれまでの呼び掛けは、ドナルド・トランプ米大統領からのものを含め、パレスチナ人の懸念を呼び、国際社会からの非難を招いている。

ネタニヤフ氏はイスラエルのテレビ局「i24ニュース」のインタビューで、同国軍がガザ地区への大規模攻撃の準備を進める中、「われわれは彼らを追い出しているのではなく、退去を許可している」と述べた。

「まず作戦地帯から退去する機会を与え、そして彼らが望むならば、大抵はガザ地区から退去する機会を与える」と、シリア、ウクライナ、アフガニスタンでの紛争中に発生した難民流出を例に挙げて述べた。

ガザ地区では、イスラエルが長年にわたり境界を厳重に管理し、多くの住民の退去を禁じてきた。

ネタニヤフ氏は、「まず戦闘中のガザ地区内での退去を容認する。そして、ガザ地区外に退去ことも確実に容認する」と述べた。

トランプ氏は今年、米国がガザ地区を引き取り、住民240万人をエジプトとヨルダンに追放すべきだと公然と提案し、物議を醸した。

ネタニヤフ氏も以前、住民を追放し、ガザ地区を観光地として再開発すべきだとトランプ氏が示唆したことを受け、イスラエル政府はガザ住民を受け入れてくれる第三国を探していると述べていた。

ネタニヤフ氏率いる連立政権の極右閣僚たちは、ガザ住民の「自発的な」退去を求めている。

イスラエルの安全保障内閣は先週の閣議で、まだ軍が支配していないガザ地区の残りの地域に軍事作戦を拡大する方針を承認した。

ガザ住民の大多数は、2023年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃をきっかけに始まった紛争中、少なくとも一度は避難を強いられている。(c)AFP