【5月22日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は21日、激戦地となっている北東部ハルキウ(Kharkiv)州で、同国軍がロシア軍に対して「目に見える」戦果を挙げていると主張した。一方で、他の戦線の戦況は「極めて厳しい」と認めた。

 ロシアは今月10日、ハルキウ州への新たな攻勢を開始。ここ1年半で最大の進撃で複数の小集落を奪取している。

 ゼレンスキー氏は同日夜の演説で、「わが軍はハルキウ州で占領者(ロシア軍)を打ち破り、目に見える戦果を挙げている」と主張。

 一方、東部のポクロウシク(Pokrovsk)、クラマトルスク(Kramatorsk)、クラホベ(Kurakhove)各都市付近の戦線では、戦況は依然として「極めて厳しい」と認め、「現在、ほとんどの戦闘がそこで行われている」と補足した。

 一方、ロシアがハルキウ州の支配地に一方的に設置した「軍民行政府」のビタリー・ガンチェフ(Vitaly Ganchev)長官は同日、激戦地となっている国境近くの町、ボウチャンスク(Vovchansk)の「約40%」をロシア軍が制圧していると主張した。

 ガンチェフ氏はロシア国営テレビで「防衛線に深く切り込み、可能な限り敵を倒した」「既にボウチャンスクの北部をほぼ解放した」と述べた。

 ウクライナ軍の報道官は国営メディアに対し、国境地帯の戦況は「依然厳しく、どんどん変化している」と述べた。ただし、ロシア軍との交戦回数は減少傾向にあるとした。

 ゼレンスキー氏は先週、ロシアのハルキウ州への攻勢は「第一波」にすぎず、ウクライナ第2の都市ハルキウ市が狙われる可能性もあると警告していた。(c)AFP