【5月21日 AFP】フランスで開催中の第77回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)で20日、日本のアニメーション制作会社スタジオジブリ(Studio Ghibli)に長年にわたる映画界への貢献をたたえる「名誉パルムドール(Palme d'or d'honneur)」が授与された。団体への授与は今回が初めて。

 宮崎駿(Hayao Miyazaki)監督(83)らが40年前に共同設立したスタジオジブリは、『千と千尋の神隠し(Spirited Away)』が日本のアニメーション映画として初めて米アカデミー賞(Academy Awards)の長編アニメーション映画賞を受賞。同作や『となりのトトロ(My Neighbour Totoro)』『ハウルの動く城(Howl's Moving Castle)』など数々のアニメ映画で世界的人気を博してきた。

 駿監督は出席しなかったが、賞を受け取った息子の宮崎吾朗(Goro Miyazaki)監督は「世界中のファンが愛してくれたからこその今回の賞だと思う。ありがとうございました」と壇上で語った。

 式典では、駿監督が手掛けた短編アニメ4本「めいとこねこバス(Mei and the Baby Cat Bus)」「やどさがし(House Hunting)」「パン種とタマゴ姫(Mr. Dough and the Egg Princess)」「毛虫のボロ(Boro the Caterpillar)」が上映され、会場に温かい笑い声が広がった。

 上映後に盛大な拍手が起こると、吾朗監督は「この先40年も頑張れよという意味だと捉えました」と語った。

 駿監督も、スクリーンに映し出されたビデオメッセージで感謝の言葉を述べた。

 駿監督の『君たちはどう生きるか(The Boy and the Heron)』は、今年のアカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した。

 吾朗監督は、オスカー像を米国から大切に持ち帰る際にジブリの代表者はホテルのタオルにくるまなければならなかったというエピソードを披露。名誉パルムドールのトロフィーは箱に入っていて「非常にうれしく思います」とジョークを飛ばした。(c)AFP