【5月19日 AFP】ボクシングの世界ヘビー級4団体統一戦が18日、サウジアラビア・リヤドで行われ、WBAスーパー、IBF、WBO王者オレクサンドル・ウシク(Oleksandr Usyk、ウクライナ)が判定2-1でWBC王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)を下し、4団体時代では史上初の同級統一王者に輝いた。

 試合はフューリーが序盤は攻勢を仕掛けたが、徐々に主導権を握ったウシクが9回にダウンを奪取。フューリーはゴングに救われた形となったが、キャリア初黒星を喫した。

 ヘビー級のベルト統一は、3団体時代だった1999年のレノックス・ルイス(Lennox Lewis、米国)以来25年ぶりで、ウシクは同級の全団体統一王者としてモハメド・アリ(Muhammad Ali、米国)やジョー・ルイス(Joe Louis、米国)、マイク・タイソン(Mike Tyson、米国)らに肩を並べた。2000年代に4団体時代になって以降では初の快挙となった。

 10月には再戦が予想されるが、過去にクルーザー級でも4団体統一を果たしている無敗のウシクは、この勝利でひとまずは今世代最高の称号を名乗るにふさわしい存在となり、アマチュア時代やクルーザー級、そして今回のヘビー級での圧倒的な強さで歴史に名を残すとみられる。

 ロシアによる侵攻で、一時は軍に入隊したこともあった37歳は「最高の時間、最高の日になった」と喜び、「再戦に向けた準備」はできていると話した。

 対するフューリーは「素晴らしいファイトだった」と振り返りつつ、「勝ったのは自分だと思う。彼が取ったのは数ラウンド。ほとんどは自分が取っていたと思う」「彼の母国は戦争中で、人々は戦争中の国の味方をする。しかし、勝ったのは間違いなく自分。また戻って来る」と述べた。

 判定はジャッジ2人がウシクに115-112と114-113、もう1人がフューリーに114-113をつけた。この勝利でウシクは戦績を22戦全勝とし、初黒星を喫したフューリーは34勝1敗1分けとなった。

 会場にはヘビー級元3団体統一王者のウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)氏らレジェンドのほか、現在サウジアラビアでプレーするサッカーのスター選手のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)やネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)らの姿もあった。(c)AFP