【5月12日 AFP】ボクシング、IBF世界ライト級王座決定戦が12日、豪パース(Perth)のRACアリーナ(RAC Arena)で行われ、ワシル・ロマチェンコ(Vasyl Lomachenko、ウクライナ)が11回TKOでジョージ・カンボソス・ジュニア(George Kambosos Jr.、オーストラリア)を下し、王座に返り咲いた。

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 満員の1万5000人の観客による大歓声の後押しを受けるカンボソスに対して、下馬評で大きく有利のロマチェンコは試合を通じて相手を圧倒した。流血させつつ11回に強烈なボディーでダウンを奪うと、立ち上がった相手に猛攻を加えて再度ダウンを奪取。カンボソスが自身のコーナーで膝をつくと、陣営からタオルが投げ込まれた。

 元WBA・WBC・WBO世界ライト級統一王者、フェザー級とスーパーフェザー級王者、五輪2大会の金メダリストなどの輝かしいキャリアを送ってきたロマチェンコだが、IBFライト級のタイトルを獲得するのはこれが初となる。試合後には「これでまた世界チャンピオンだ。国へ帰って家族と過ごしたい」と話し、今後については明言しなかった。

 一方、2021年に王者テオフィモ・ロペス(Teofimo Lopez、米国)を破る番狂わせを演じ、ライト級3団体のベルトを獲得したカンボソスだが、36歳のロマチェンコを引退に追い込むと試合前に豪語していた中で完敗を喫した。キャリア3敗目を喫した試合後には、「彼は史上最高のボクサーの一人。僕らもベストを尽くしたが、彼が真のチャンピオンだ」と認めた。(c)AFP