【4月30日 AFP】米政府は29日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)でのイスラエル軍の行動に関する国際刑事裁判所(ICC)の捜査を支持しない立場を明確にした。ICCが近くイスラエル政府関係者に逮捕状を発付する可能性があるとして、同国内では懸念が強まっていると伝えられている。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は28日、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領との電話会談でこの問題を提起したとされる。

 米紙ニューヨーク・タイムズはイスラエル政府当局者の話として、ICCはネタニヤフ氏のほか、イスラム組織ハマス(Hamas)指導部の訴追を検討していると伝えている。

 ホワイトハウス(White House)のカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)報道官は記者会見で、「ICCの捜査についてはわが国は支持しない。ICCに管轄権があるとも考えていない」と述べた。

 米ニュースサイト・アクシオスは、ネタニヤフ氏がバイデン氏に対し、ICCがイスラエル政府関係者に逮捕状を出すのを阻止するよう求めたと報じている。これについてジャンピエール氏は、「電話会談の主要議題は言うまでもなく人質に関する合意と停戦、ガザへの人道支援だった」と答えるにとどめた。

 米国、イスラエル両国ともにICCには加盟していない。(c)AFP/Danny KEMP