だが、こうした軍事的勝利は1つとして政治的勝利には結びついていないと、テルアビブ大学モシェ・ダヤン・センター(Moshe Dayan Center)のアイヤル・ジッサー(Eyal Zisser)氏は分析する。「政治的にはハマスは何も達成していない。ガザに港や空港を建設するという要求も、通る可能性は非常に低い」

「ガザの被害は甚大で、これらの要求が拒絶されたとしてもハマスが戦闘を再開するのは極めて困難だろう」(ジッサー氏)

 今回の紛争で、ガザ地区では2143人のパレスチナ人が死亡している。

■紛争の高い代償

 専門家の試算によると、過去6年で最長となった今回のガザ紛争の経済コストは、30億~40億ドル(約3000億~4000億円)。これとほぼ同額を、イスラエルの国防省は弾薬などの補給予算として要求している。

 強力な軍事ロビーに押されてこの国防予算が承認されれば、イスラエル政府は他省の予算削減を強いられるうえ増税をも余儀なくされかねず、社会的・経済的に追いつめられることになる。

 外交面でも、重要な同盟国である米国との関係に強い緊張が生じた。停戦調停に努めたジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官に対しイスラエル政府高官が激しい批判を行ったことに、米国は強く反発。米国務省は、イスラエル軍によるとされる空爆で民間人が殺害されたことを強く非難した。

 一方で、世論調査によると、今回の軍事作戦におけるネタニヤフ首相の手腕について「満足している」と答えた人は50%で、3週間前の77%から急落している。(c)AFP/Jean-Luc RENAUDIE