【4月2日 AFP】シマウマのしま模様は、ツェツェバエなどの吸血バエを寄せ付けないためにあるとする、生物学者の間で140年にわたり繰り広げられてきた論争に決着をつけることを新たに目指した研究論文が1日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。

 1870年代以降、進化論をそれぞれ提唱した英国の自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)とアルフレッド・ラッセル・ウォレス(Alfred Russel Wallace)が火付け役となって発生した議論の中で、科学者らはシマウマがトレードマークのしま模様をどのようにして持つに至ったかをめぐる論争を続けてきた。

 しま模様はカモフラージュのためであり、サバンナで「動きによる目くらまし効果」を発揮することで、ハイエナやライオンなどの捕食動物からシマウマを守っているのだろうか。

 しま模様から熱を放射することで、体温が上がりすぎないように調節しているのか。

 もしくはしま模様は、集団同一性やおそらく交尾のためなどの社会的役割を果たしているのだろうか。

 だが、米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)のティム・カロ(Tim Caro)氏率いる研究チームが発表した最新の研究によると、しま模様は寄生性のハエの危害を防ぐためにある可能性が最も高いという。

 この興味深い発見は、2012年に研究室で行われた実験によってもたらされた。吸血性のハエは、しま模様のある面を避け、色が均一な面に着地するのを好むことがこの実験で明らかになった。

 研究チームによると、「偉大なるしまの謎」に対する明白な答えは存在しないが、この昆虫説の見込みはずば抜けて高いという。