【6月27日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)新国家主席の初の外遊時、妻で元歌手の彭麗媛(Peng Liyuan)が自国のファッションブランド「EXCEPTION de MIXMIND」を着用し、中国のSNS上で大きな話題となった。

 2009年、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統の就任祝賀舞踏会でミシェル(Michelle Obama)夫人がジェイソン・ウー(Jason Wu)のドレスを着用し、当時ほぼ無名だったジェイソンが一躍時の人となったことから、人々は「EXCEPTION」にとって同様のチャンスになるのではないかと期待を含ませた。一方では、倹約を推し進める政府下でファーストレディが国内ブランドを着用することで、高官の妻たちにブランド物を捨てるようにメッセージを送っているのでは?という声も上がった。

■ファーストレディ効果は不要

 多くのブランドにとって、このような広報は夢のようなマーケティングの機会だ。しかし、「EXCEPTION」の創立者Mao Jihongは、話題となった外遊後初のインタビューで、ファーストレディの話題になると少し居心地が悪そうにした。

 彭麗媛は、30年以上にわたる中国のスターで、12年間にわたり「EXCEPTION」を着用し続けている。5月にパリで行なわれたインタビューでMaoは、そのうちのいくつかは彼女のために特別にデザインしたものだと明かしている。しかし、ロシア訪問時に彭麗媛が「EXCEPTION」のトレンチコートとハンドバッグを着用して世間の注目を浴びたことはブランドにとって間違いなくプラスになったが、「色々な問題も起きた」と語った。

「我々は静かにファッションをやっていたいのです。キャンペーンや広告も一切していません。しかし、ファーストレディが我々の服を着てから、たくさんの人がこのブランドを探すようになりました」「我々はファーストレディに有名にしてもらうのでなく、自分たちでブランドを表現していきたいのです。あのようなことは望んでいません」とMao。

■現代の中国ファッションに寄り添うブランド

「EXCEPTION」は、現代中国の決して長くはないファッションの歴史において、時代そのものを映し出す象徴的存在だ。1991年、中国で最初に設けられたファッション・デザインコースを卒業しMaoとその元妻Ma Keは、単調で面白みのない従来の服に代わる服を作り始めた。「私たちは中国でデザインを学んだ初期の学生でした。当時の中国の衣服はまるで美しくなく、皆が制服のように同じものを着ていました」

 中国で初めて設立されたブランドのひとつとして1990年初頭に誕生した「EXCEPTION」は現在、同国では“小さい”規模の約100店舗を展開している。そのデザインは主にリネンやシルク、ウールなどの自然の素材を用いたもので、「自由さ」を表現している。「私たちはブランドを通じて中国のコンテンポラリーなライフスタイルを定義づけ、デザインを通して人々に東洋哲学の美しさに触れて欲しかったのです」とMao。2004年には、北京(Beijing)の廃工場でブランド初のファッションショーを開催した。

■中国、海外での今後の展望・・・

 人口13億人、急激に発展する中国では見慣れた光景だが、その工場はすでに巨大なショッピングモールを建設するために取り壊された。Maoは、上海(Shanghai)や北京をはじめとする主要都市では常に40ほどのショッピングセンターが建設されているだろうと推測する。その上で、ブランドの顧客を「文化と芸術を好み、自分の審美眼をもっている人々」と言うMaoは、「Exception」をこのような見境のない消費運動とは距離を置くように気をつけているという。また、人々は近いうちにより洗練されたブランド購入の価値観を持つようになると予想する。

「今はまだ発展中なのだと思います。中国には貴族がいません。社会的な階級の違いもないので、買ったもので個性を示します。しかし、消費者たちはいつか、そのような製品は自分を表現するのに必要ないということに気がつく時がくるでしょう」

 現在「EXCEPTION」は、フランスのデパートや顧客からの接触をきっかけにヨーロッパ進出に取り掛かっている。Maoは、「グローバル展開についてはまだ取り組んでいる最中で、まだすべて議論中です」と述べるとともに、「我々は自分たちが成功したブランドだとは思っていません。まだ途中で、その域には達していないと思います」と語った。(c)AFP/Helen ROWE