【12月26日 AFP】サッカー界の2011年は、ブラジル1部リーグのサントスFC(Santos FC)をリベルタドーレス杯2011(Copa Libertadores de America 2011)制覇に導き、世界最優秀選手「FIFA バロンドール(FIFA Ballon d'Or)」の候補に選出されたネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)の台頭が際立った。

■ブラジルに現れた19歳の新星ネイマール

 トレードマークのモヒカンヘアスタイルと類まれなドリブル技術で、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」で注目を集めていたネイマールは、ウルグアイのCAペニャロール(CA Penarol)と対戦したリベルタドーレス杯決勝第2戦で得点を記録し、「サッカーの王様」ペレ(Pele)氏の古巣としても知られるサントスを1963年以来となる優勝に導いた。

 ブラジルU-20代表として出場した南米ユース選手権(2011 South American Youth Championship)で得点王に輝く活躍を見せ、チームを優勝に導いたネイマールは、コパ・アメリカ2011(2011 Copa America)ではブラジル代表を成功に導くことはできなかったものの、南米でプレーする選手では唯一となる世界最優秀選手「FIFA バロンドール」候補者23人に残った。

 クラブと代表チームでの活躍が認められ、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)移籍のうわさも取りざたされたネイマールだが、11月に2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)まではサントスに残留することを表明している。

 元ブラジル代表のペレ氏は、スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するリオネル・メッシ(Lionel Messi)よりもネイマールの方が優れていると評価したが、11クラブW杯(2011 FIFA Club World Cup)決勝ではバルセロナが4-0でサントスに勝利し、2得点を記録したメッシに軍配が上がった。

 サントスのムリシー・ラマーリョ(Muricy Ramalho)監督は、「メッシが世界一の選手であることに疑いは無いが、彼には世界最高に到達するための時間があった。ネイマールはまだ進化の段階にあり、世界最高の選手になるのは将来の話だ」と語っている。

■ウルグアイが史上最多となる15度目の南米制覇

 コパ・アメリカ2012では、開催国アルゼンチンとブラジルが準々決勝で姿を消し、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)4位のウルグアイが通算15回目の優勝を飾った。

 準々決勝でPK戦の末にアルゼンチンを下し、準決勝でペルーを2-0で破ったウルグアイは、決勝でルイス・スアレス(Luis Suarez)とディエゴ・フォルラン(Diego Forlan)が活躍を見せ、パラグアイに3-0で勝利した。

 決勝の舞台となったエスタディオ・モヌメンタル(Estadio Monumental)でトロフィーを掲げたウルグアイの主将ディエゴ・ルガーノ(Diego Lugano)は、「自分たちのプレーを誇りに思う。僕たちは多くの人たちを幸せにすることができたんだ」と語った。

 一方、北中米ではメキシコが北中米カリブ海サッカー連盟ゴールドカップ(CONCACAF Gold Cup 2011)とU-17W杯メキシコ大会(FIFA U-17 World Cup Mexico 2011)を制し、2冠を達成している。

■男女ともに栄冠を勝ち獲った日本代表

 2022年サッカーW杯を開催するカタールで1月に行われた第15回アジアカップ(AFC Asian Cup 2011)は、延長戦までもつれこんだ決勝で李忠成(Tadanari Lee)が素晴らしいボレーシュートを決め、日本が1-0でオーストラリアを破り優勝を飾った。

 また、7月にドイツのフランクフルト(Frankfurt)で行われた女子サッカーW杯ドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)決勝でも、日本女子代表がPK戦の末に米国を破り、大会初優勝を果たしている。

■ブラッター会長が4選果たすも、汚職疑惑に揺れたFIFA

 2011年はピッチ上で素晴らしい戦いが繰り広げられた一方、世界のサッカーを統括する国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football Association、FIFA)では汚職疑惑が浮上し、暗い影を落とした。

 6月にジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が再選を果たしたFIFA会長選に出馬していたアジア・サッカー連盟(Asian Football Confederation、AFC)のモハメド・ビン・ハマム(Mohamed Bin Hammam)会長が、贈収賄疑惑により立候補を取り下げ、その後、無期限の資格停止処分を科された。

 4期目の当選を果たしたブラッター会長は「今すぐ会長職を退くことはできない。まだ自分に与えられた使命を果たせておらず、組織のイメージを改善する必要がある」とコメントしている。

 またブラッター会長は、2014年サッカーW杯での導入を目指し、「ゴールライン・テクノロジー(ボールがゴールラインを越えたかを科学的に判定する技術)」の採用を検討していることを明らかにした。だが、欧州サッカー連盟(Union of European Football Associations、UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)会長は、技術導入に反対の姿勢を見せている。

 2011年はサッカーファンに愛された人たちの訃報が相次いだ1年でもあった。

 元イングランド代表のナット・ロフトハウス(Nat Lofthouse)氏をはじめ、元ハンガリー代表フロリアン・アルベルト(Florian Albert)氏、元ブラジル代表のソクラテス(Socrates Brasileiro Sampaio de Souza Vieira de Oliveira)氏が死去した。また、ウェールズ代表監督を務めていたガリー・スピード(Gary Speed)氏が自殺を図り、サッカー界に衝撃が走った。(c)AFP/Tom Williams