【6月24日 MODE PRESS】多くの企業やブランドにとって、「コミュニケーション部」とは、社外の広報活動をはじめとするプレス対応だけでなく、販促ツール(カタログ)の作成や店舗ディスプレイを通しての消費者とのコミュニケーション、そしてブランドイメージの構築プランニングなど多岐にわたる。外資系ブランドとなれば、海外本社との意思疎通も職務の大きな比重を占める。ブランドの魅力を発信するだけでなく、多方面との交渉力が問われる、なかなかタフな仕事だ。

■「伝えたい」という気持ちが原点

 デンマークに本社があるラグジュアリーブランド「ジョージ ジェンセン(Georg Jensen)」の日本でのコミュニケーション ジェネラルマネージャーを、05年5月から務めるカーラ アン ゲッツ(Carla Ann Goetz)さんは、そんな他方向のコミュニ ケーションを日々しなやかにこなす女性だ。アメリカ人と日本人のハーフで、「自分を理解してもらいたい、伝えたい、という気持ちを子どもの頃から日常的に抱いていた」という彼女に、現在の仕事はぴったりといえるだろう。

 「人との出会いを大切にし、自分の気持ちに正直にキャリアを積み重ねるうち、コミュニケーションという職に特化するようになったんです」とカーラさん。

■嘘はつかない、信じるものだけを発信

 その言葉通り、カーラさんのキャリアは多彩だ。外資系化粧品会社、恩師が立ち上げた会社でのアタッシェ・ド・プレス、広告代理店勤務……、ジェンセンにたどり着くまでに4社を経験した。大学・大学院での学業に戻った時期もある。だが、常に念頭においてきたのは、「その時の自分が好きか」ということ。そして「自分に嘘をつかない」こと。

 この姿勢は、カーラさんが人と接する上での信念でもある。ぶれない軸を持ち、信じるものだけを発信することが、最も効果的なコミュニケーション法なのだ。

■心を広く持てば、道は開ける

 目の前で穏やかに微笑むカーラさんには、自らのキャリアを貪欲に切り開いてきた印象はない。キャリアに悩む人々に言いたいのは、選択の幅を狭めずに、心を広く持つことだ。「じたばたしないで、流れにまかせる。大らかに構えていれば、自分の良さを生かせる道が自然と見えてくるはずです」

■ハートとパッションさえあれば

 コミュニケーションという仕事に、向き不向きはないというカーラさん。あえていうなら、人のことが好きで、愛情をもって人や物と接することができる人かどうかだろう。何事にも正面から向き合ってきた彼女の流儀は、実に明快なものだった。「必要なのは、ハートとパッションです!」(c)MODE PRESS