【3月20日 AFP】米大統領選の民主党候補、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員の大統領夫人時代の活動記録文書、約1万1000ページを米国立公文書館が19日、公開した。

 クリントン候補は選挙戦の中で、自分が大統領に選出されれば就任当日から「米軍最高司令官」の役割を果たせると強調しているが、同文書がこうした主張を裏付ける一材料となる見込みはなさそうだ。

 公開された文書は1993年から2001年、夫ビル・クリントン(Bill Clinton)氏が大統領だった期間の夫人としての活動を記録したもの。今回の大統領候補選のライバル、バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員の陣営や情報公開を推進する団体などが繰り返し催促した結果、ようやく公開となった。しかし、今回の公開によって、クリントン候補の大統領夫人時代の活動に関する問いの全てが解決したとは言いがたい。
 
 記録の多くは、夫クリントン氏の弁護士らの強い勧めにより、プライバシー保護と国家安全保障双方の保護の観点から再編集されている。

 クリントン候補は、夫の前大統領が関わった北アイルランド和平プロセスや、政権期間中に発生したコソボ紛争など、外交政策の危機において実際的な役割を担って関わったと主張しているが、その主張を証明する材料は活動記録の中にみられなかった。残っている日程記録からは、クリントン候補がむしろ大統領夫人としての伝統的な社会的任務に従事していた部分や、海外訪問を通じて米国の国益を支えていた事実がうかがえる。

 しかし、1998年4月に英・北アイルランド間で締結された「ベルファスト合意(聖金曜日協定、Good Friday Agreement)」までの和平プロセスや、1999年5月にマセドニア政府にコソボ難民の受け入れを了承させた過程で、クリントン候補が一助となった形跡は見当たらなかった。

 活動記録について、クリントン陣営の広報担当ジェイ・カーソン(Jay Carson)氏は声明を発表し、「文書はひとつの指針であり、クリントン上院議員の大統領夫人時代のすべての活動を反映しているわけではない」と反論した。

 活動記録の公開に先立つ前週、オバマ候補の外交政策顧問、グレッグ・クレイグ(Greg Craig)氏は、「自分は最高司令官としての試験をすでにパスしていると主張するならば、クリントン氏はその証拠を示すべきだ」と批判していた。(c)AFP