【8月24日 marie claire style】美しさをジャッジするのに性別はいらない。そんなジェンダーレスな美しさが謳われている、現代を象徴するモデル、クリス・ゴッチャルク。

 年齢や性別など、判別不可能な個性的なルックス。今、一番注目すべき新鋭モデルのクリス・ゴッチャルクは、ここ数年で自身の想像を遥かに超える躍進ぶりを見せている。無垢な少年を彷彿させるバズカット(丸刈り)は彼女の彫刻のような造作の美しさをより際立たせている。イザベラ・エマック、キャサリン・ムーアなど、美しいロングヘアをカットし、個性的なルックスを手に入れたモデルたちが話題となっているが、ゴッチャルクはそんなモデルたちの中でもエキセントリックな印象を与え、頭一つ飛び抜けた存在だ。

 ドイツ出身のクリス・ゴッチャルクは、ジェンダーを飛び越え、人間が持つ本質の美しさを感じさせる不思議な魅力がある。その魅力は彼女を襲ったアクシデントがきっかけとなって生み出された。

 モデル業をスタートさせた当初は、パリとミラノを拠点に商業的な仕事をこなす日々だった。モデルになるために長い髪をブロンドに染めていたが、女性らしい容姿が求められることには常に違和感があった。クリエイティヴな刺激を求めていた彼女はサーフィンの習得に励むようになり、本格的に実践するためにバリへと向かった。バリの街中でサーフィン仲間が運転するバイクに乗った時、前方から突っ込んできた車をよけきれず、バイクは壁に激しく衝突する。あまりに突然の出来事に状況が把握できず、気がついた時には壁の前で血だらけになって座り込んでいた。不幸中の幸いか、命に別条はなかったものの、折れてしまった鎖骨にプレートを入れ、バリの病院で入院を強いられた。その病院のベッドの上で、人生は短く、儚いこと、自分らしく生きるとはどういうことなのか、じっくりと考える時間を与えられたという。リアルであること、自然体でいること、そう自分なりの答えを悪夢のような事故の経験から見出すことができた。事故で頭に傷を負った彼女は新たな人生の始まりの記念にロングヘアをバッサリと切り落としたのだ。