■モディリアニやムンクに「仲間入り」したバスキア

 薬物の過剰摂取により27歳で死去したバスキアは、この取引によって、アメデオ・モディリアニ(Amedeo Modigliani)、フランシス・ベーコン(Francis Bacon)、アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)、エドバルト・ムンク(Edvard Munch)、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)といった、1億ドル(約113億円)以上の値で取引されるごく少数のアーティストたちの仲間入りを果たした。

 アートプライスによれば、バスキアは昨年、オークションでの落札総額が3億1350万ドル(約354億円)に上り、アート市場で「最も偉大な」現代美術作家という称号も手に入れている。

 もちろん、すべてのストリートアーティストが右肩上がりなわけではない。バンクシーの壁画の価格は、一部の作品が7桁に届く勢いだった2008年以降は半値に下がっている。だが、それでも依然として現代美術作家としては世界4位の売上を誇っている。

 アートプライスによると、昨年は10%の大きな落ち込みを見せたアート市場だが、今年は上半期だけで14%上昇しているという。(c)AFP/Antoine FROIDEFOND / Fiachra GIBBONS