【7月19日 AFP】20年前、ファッションデザイナーのジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)はマイアミ ビーチ(Miami Beach)で撃たれ、彼のブランドは危機に陥った。だが事件から20年がたった今、ジャンニの妹であるドナテラ(Donatella Versace)の力によって、「ヴェルサーチ(Versace)」は世界トップのグローバル・ラグジュアリーブランドの一つとなった。

 1997年7月15日、ジャンニは朝刊を読みに出かけてマイアミビーチの邸宅に戻ってきたところ、アンドリュー・カナナン(Andrew Cunanan)に射殺された。このニュースにファッション界は悲嘆にくれた。マドンナ(Madonna)やエルトン・ジョン(Elton John)といったセレブリティの衣装を手がけていたジャンニは、まだ50歳だった。

「彼は紛れもないクリエイター、真のアーティストだった。色や素材への純粋な創造的ビジョンを持ち合わせていた」とボッコーニ大学(Bocconi University)のラグジュアリー&ファッション知識研究所(Luxury & Fashion Knowledge Center)のセンター長、ステファニア・サヴィオーロ(Stefania Saviolo)はミラノ(Milan)でAFPの取材に答えた。

 ジャンニが1978年に兄サント(Santo Versace)とともに創設したヴェルサーチグループは、世界で最もホットなブランドであった。「ヴェルサーチ」は、同ブランドのカジュアルライン「ヴェルサス(Versus)」をジャンニから任せられていたプラチナブランドの妹、ドナテラがアーティスティックディレクターとして引き継ぐことになった。だがブランドはジャンニの殺害後、復活に苦しんだ。ジャンニのそばで14年間働いてきたドナテラは、兄の死にひどく打ちのめされ、「すっかり弱気になっていた」と告白する。