■「僕は透明な存在になりたかった」

「僕が学校でほかの子供たちと遊んでいると、何人かの母親はあんな子と遊んじゃ駄目よ、と言って突然彼らを僕から遠ざけた」とAFPの取材にハンは明かす。人前でじろじろと見られることも日常茶飯事だった。一度、年配の女性にこう尋ねられたこともあるという。「よその国であなたはいったい何をしているの?」

「僕は透明な存在になりたかった」とハンは言う。「みんなの中で目立ってしまう自分の外見が嫌いだった」。そんな中、ハンはファッション界に逃げ場を見つけた。モデルのオーディションに参加し、代理人のヨンに見いだされるまで自分の写真をSNSに投稿し続けた。当時14歳だったハンの「目の覚めるような」ウオーキングをソウルの通りで5分間見せられたヨンは、即座に契約を交わした。

「ファッションモデルになったことは、僕にとてつもない自信を与えてくれた」とハンは語る。「今は他人から見られることを、恥ずかしがったり戸惑ったりせずに楽しんでいる」。ハンは人種的にさまざまなルーツを持つ子供たちの模範になりたいという。「もっと成功したい。自分のためだけでなく、僕が代表するほかの人々のためにも」