【3月28日 AFP】(記事更新)元バレエダンサーのファッションデザイナー、幾左田千佳(Chika Kisada、36)が25日、東京ファッションウィーク(Tokyo Fashion Week)へのデビューを果たした。幾左田は作品で、バレエの美しさの裏に隠された苦痛を表現したという。

 幾左田は、レザージャケットとゴシックスタイルの黒いチュチュ風のスカートを組み合わせるなど、バレエとパンクを融合させた作品を発表。モデルたちは、トゥシューズの代わりに大きなリボンが付いたローファーを履いて登場した。

 少女が夢見るおとぎの国と危うい現実世界を融合させたようなボヘミアン風の2017年秋冬コレクションでは、バレエスタイルの袖なしドレスをニットやレザーのハーネスと組み合わせた。「眠れる森の美女(Sleeping Beauty)」などのクラシックバレエの演目でバレリーナが身に着けるティアラを真似たドラマチックな金色の仮面は、幾左田と以前から親交のあるバレエ衣装メーカーの協力を得て制作された。

 幾左田は、「物心ついた時から」夢見てきた一流のバレリーナになるため、何年もの間、厳しいレッスンを続け、数々の賞を受賞したが、道半ばにしてファッションデザイナーに転向。16年間「朝から晩まで」練習を続けた幾左田は、日本を代表するバレエ団の一つである牧阿佐美バレエ団(Asami Maki Ballet)にも所属したが、その後退団した。幾左田は、「しばらく何もしないでいたが、何か体を使って表現する職業はないかと思った時に、デザイナーとは似ている部分があるなと思った」とAFPに語った。