■海外と中国は段違いの差

 外国のショーに起用されるアジア人モデルはごく少数で競争は激しいが、国内外で活躍できれば大きな見返りが期待できる。外国で仕事をした経験のあるモデルが中国に戻ると、国内でのみ活動するモデルの2~3倍の報酬を手にすることができるからだ。

 徐さんは小さい頃からモデル志望で、「プラダ(PRADA)」や「シャネル(CHANEL)」といった有名ブランドのランウェイに立つことを夢見てきた。両親は徐さんがまだ学校に通っていた時分からモデル教室に通わせ、ウォーキングやポージングを習わせていた。

 現在、北京服装学院(Beijing Institute of Fashion Technology)の2年生としてモデル業やデザインについて勉強している徐さんが、プロのモデルとして活動し始めたのは2014年。だがそれ以来、中国だけでなく外国も含めすでに数十ものショーを経験してきた。初めて母国を離れたのも、イタリア・ミラノ(Milan)や米ニューヨーク(New York)での華々しいファッションウィークの仕事のためだった。

 それに引き換え国内のショーは、大手外国ブランドの出展もなければセットも簡素、会場もたった2か所と、海外イベントとは似て非なるものだと、徐さんは言う。

 モデル界は時に「苦痛に満ちた」場所だと徐さんは語る。「私はすぐに覚えてもらえるような、一重まぶたの女の子じゃありません」「1日に20件オーディションを受けて全部落ちたら、心底落ち込みます。まるで、売り物の服みたいな気分。手に取られ、じっくり眺められたかと思うと、わきにのけられる」

(c)AFP/Becky Davis