Q:今VCAにとって、世界市場的には日本はどういう立ち位置、ポジションにあるのでしょうか?

A:日本の顧客の皆さんはVCAにとって世界でも一番重要な存在です。宝石そして時計部門で共に、重要であると思っております。VCAは日本に進出して40年以上経ちますが、経済危機や不況など様々な困難を乗り越えてきました。しかし、常に日本市場で良い成績を残しています。さらに、市場で生き残るだけではなくて、年々成績を伸ばしています。

 日本の顧客の皆さんは、美に対する意識が非常に高く、洗練された作品を求められます。私共も、それに応えていけると思っておりますし、日本の皆様にメゾンの物語、クリエイティビティー、革新といった世界観を伝えていたいと思っております。

Q:ジャパン社以前は中近東を担当されていたということですが、ドバイと日本だと顧客、カスタマーのタイプ、トレンドの違いは何か感じますか。

A:そうですね、あえて挙げるとすれば、中東の女性はブレスレットとリングを非常に好みます。というのも、ご存知の通り、宗教上の理由から中東の女性は肌の露出を避ける傾向にあります。露出を隠すような格好をしている時でもオシャレをしたいといった場合、リングやブレスレットが一番個性を主張できるのです。中東の女性は、それに大切にしていて、それに素敵なものをつけることに非常に重きをおいています。宝石をアクセサリーとしてだけでなく、自分の個性を表現する役割も果たしてくれますので、靴、バッグ、ブレスレット、リングへの需要が大きいですね。

 そして中東の女性は、さまざまなシーンによって男性とは行動を別にしなければならないことがあります。女性だけになったときにヴェールを取るのですが、一般的にはリング、ネックレス、イヤリング、ブレスレットがセットになったスタイルを好まれます。

日本については、まだ着任して間もないこともあり、わかりかねる部分もありますが、スタッフからの報告では、日本人の方は華奢なものが好きだという印象を受けました。なかでもお花のモチーフが人気で、イヤリングやネックレスでも華奢なものを好むということをスタッフからは聞いています。宝石はダイアモンドが人気で、ほかにもピンク色のアイテムが日本女性に大変人気だと聞いています。

 日本の顧客の皆様には、今回発表したコレクションを通してVCAの世界、豊かさ、多様性、VCAの価値に是非触れていただきたいですね。(c)MODE PRESS