【9月30日 AFP】スマートフォンばかりをいじっている参加者の存在は、イベントにとってマイナスとなるが、このほど、一人の日本人ファッションデザイナーが、このようなスマートフォンを一時も手放せないおしゃれに敏感な人々を巻き込んだコレクションを発表した。

 仏パリ(Paris)では29日、16年春夏の新作を発表するファッションウィークが開幕。ブランド「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のデザイナーで、ファッションにテクノジーを積極的に取り入れる森永邦彦(Kunihiko Morinaga)氏が今回発表したのは、感光性の素材を用いた既製服だ。

 発表されたこれらの作品を「しっかり」と鑑賞するには、スマートフォンでフラッシュを光らせてモデルを撮影する必要がある。ファッションを楽しむことが第一で、インスタグラム(Instagram)やツイッター(Twitter)などのSNSに投稿するのは二の次という構造だ。

 作品は、肉眼では灰色や黒、時にはストライプ柄に見え、幾何学的な線による錯覚から折り紙のようにも見える。しかし、カメラのフラッシュが光ると、服は蛍光色に変化し、黄色、青、ピンク、緑と変化する色彩の中で千鳥格子やひし形の模様が現れる。

 2016年春夏の四大コレクションが開催されるのは、米ニューヨーク(New York)、英ロンドン(London)、イタリア・ミラノ(Milan)に続いてパリが最後となる。

 パリでは「クリスチャン・ディオール(Christian Dior)」や「シャネル(Chanel)」、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」、「エルメス(Hermes)」など、フランスの有名ブランドも最新コレクションを披露する。(c)AFP/Anne-Laure MONDESERT