■14歳でデビュー

 ジゼルのキャリアとサンパウロ・ファッションウィークがスタートしたのは、ともに20年前。14歳の時に初めて地元ブランド「ズーンプ(Zoomp)」のショーで、ランウェイを歩いた。

 そこから彼女の才能は大きく花開いた。「アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)」、「バレンシアガ(Balenciaga)」、「キャロリーナ・ヘレラ(Carolina Herrera)」、「シャネル(Chanel)」、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」、「ヴァレンティノ(Valentino)」、「ヴェルサーチ(Versace)」、「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)」といった有名ブランドにモデルとして起用された。

 自身の「フェイスブック(Facebook)」に、10代の頃の写真を掲載したジゼルは、「14歳でこの旅の出発点に立つチャンスを与えてもらったことに感謝しています。以後、20年間この業界でお世話になり、自分の意志で最後のファッションショーを飾れたこと、そしてまた違う面からこの仕事に関われることを光栄に思います」というコメントを添えた。

■「セクシーモデル復活」

 米経済誌フォーブス(Forbes)が発表している世界のモデル長者番付では、ジゼルは8年連続1位を獲得。昨年には4,700万ドル(約56億円)の収入があったとされる。

 しかも最近ジゼルは、米スポーツウエア大手「アンダーアーマー(Under Armour)」と過去最高とされる契約を結んだばかりだ。同誌によるとその契約料は2500万ドル(約30億円)を上回るという。

 1994年、ジゼルの生まれ故郷、ブラジル南部リオグランデドスル(Rio Grande do Sul)州の小さな町ホリゾンティナ(Horizontina)で開かれたモデルのワークショップでジゼルを見出したスカウトのディルソン・ステイン(Dilson Stein)氏は、「キャリアが最高潮を迎えている時にランウェイを去るのは立派なことです。賢い決断だと思います」とコメントした。

 ジゼルのデビュー当時は、ケイト・モス(Kate Moss)に代表される「ヘロイン・シック」と呼ばれた青白く痩せこけたモデルらが、ハイファッションの世界でもてはやされた時代だった。しかし1999年、『ヴォーグ(Vogue)』誌はジゼルを表紙に起用し、「セクシーモデル復活」を宣言した。

 ステイン氏はAFPの取材に、ブロンドのロングヘア、日焼けした肌、健康的でしなやかなスタイルのジゼルを一目見た時の強烈な印象を今でも覚えているという。「ジゼルには、何か特別な物が見えました。将来偉大なモデルになると直感したのです」(c)AFP/Natalia RAMOS