■ウクライナから東京へ

 植村のショーの前、バックステージではブロンドのモデルたちが、スタイリストにヘアメイクをやってもらいながらメールをしたり、サンドイッチを食べていた。

 ウクライナ出身のモデルKali Myronenko(20)が東京で初めてランウェイを歩いたのは17歳の時だった。現在東京を拠点に活動する彼女の元には、その外見を求めて次々と仕事のオファーが舞い込む。

 KaliはAFPの取材に「日本人は若くて可愛らしい見た目が好きなんです。多くの日本人が青い目のコンタクトレンズをつけていますよ」と語った。

 彼女は自分の容姿に関心が集まる理由を、ストレートヘアの人が天然パーマの人をうらやむといったような、自分が持っていないものへの単純な憧れからではないかと考えている。

 「毎日鏡で自分を見ているんですから、今の自分になりたいとは思わないでしょう」とKali。

 こうした異なるものへの憧れによって他のアジア諸国同様、日本市場では美白クリームが売れ、渋谷にあるファッションウィーク会場では髪をブロンドに染めた人が行き交う姿も珍しくない光景といえるだろう。

 ファッションPRの安池 かおり(Kaori Yasuike)さんはランウェイを歩く白人モデルを見るのは全く不思議なことではないという。雑誌でも見慣れているからだ。「私たちは自分たちが憧れる、理想の体形を持った人を見たいんです」