【3月19日 AFP】東京ファッションウィークは長らく、気鋭の日本人デザイナーらが作品を発表する場となっている。しかしそれ以上に目を引くのはキャットウォークを歩く日本人モデルの少なさかもしれない。

 背が高い、色白の、時にはブロンドの髪の若い女性がランウェイを席巻している。こうした外国人は、日本の雑誌やショー、広告などいたるところでみられる。

 「少し不思議な感じがします」と語るのは、東京のランウェイに登場する数少ない日本人モデルの一人、立野リカ(Rika Tatsuno、24)だ。彼女によると、東京のランウェイを歩くアジア人は10~15%くらいだという。「もちろん、もっと日本人モデルを見たいです」とリカは語る。

 ランウェイモデルの人種が多様でないのは、東京に限ったことではない。グローバルな環境下での競争という側面もある。それでも、日本人モデルの少なさは際立っている。

 日本には、伝統的な日本の服装である「和服」と、現在では日常着になっている欧米式の「洋服」とがあり、「ジョウタロウ サイトウ(Jotaro Saito)」など着物ブランドのショーでは大抵日本人のモデルが選ばれる。一方、洋服のブランドの場合、日本人モデルの出演機会は限られている。例え日本人がデザインした服で、購入者のほとんどが日本人であってもだ。

 「自然なことです。もし私が伝統的な日本の服をデザインしているのであれば日本人のモデルを選んだでしょう」と、今回のファッションウィークでデビューした「バイユー(byU)」のデザイナー、植村浩樹(Uemura Hiroki)は語った。

 彼は自身の今季のコレクションを、大人のための「カワイイ」スタイルだと説明した。一方、英女優・歌手のジェーン・バーキン(Jane Birkin)の若いころの「ミスマッチ」なスタイルにも影響を受けたという。「『メイド・イン・ジャパン』の部分も見せたいと思っています。ですが日本人が魅力を感じるのはヨーロッパや外国です。ですからブランドのイメージを広めるために、外国人モデルを起用しました」