【12月9日 MODE PRESS WATCH】資生堂(SHISEIDO)が長年の化粧品トレンド研究の成果を生かし、東京五輪の開催年、2020年のメイクアップ予測を発表した。

 資生堂ビューティートレンド研究の中心メンバーであるシニアヘア&メーキャップアーティストの鈴木節子氏によると、一般的に景気が良くなると明るい色の口紅や太眉が主流となり、逆に景気が悪くなると眉が細くなるなど、冷めた表情のメイクが流行するという。そのほか、天災や情勢不安があるとナチュラルなメイクに回帰する傾向があるなど、メイクは世の中の世相と密接に結びついている。

■1920年代からの女性のメイク変遷

 1920年代からのメイクアップを振り返ってみると、20年代~70年代前半は、西洋文化や銀幕女優への憧憬が見て取れる。70年代~90年代初期は日本の美意識を再認識し、女性の社会進出が進んだ時代であり、日本人の切れ長の目元をアピールするメイクや、バブル景気頃の太さと濃さを意識した強い女性をアピールするメイク、逆に目元も口元もごくナチュラルなメイクなどがトレンドになる。また、1990年代から後期に至るまでは、空前の美容ブームとして、ギャル層、OLエレガント層、裏原系など系統が細分化され、まつ毛エクステ、ヘアエクステ、黒目強調コンタクト、ジェルネイルなど、メイクだけにとどまらない美容表現が出現。2011年の東日本大震災を境に、一時涙袋メイクなど癒し系のナチュラルなメイクが出てくるものの、現在はバブル景気を彷彿とさせる色味の強いメイクが新たなトレンドになっている。

■2020年のメイクトレンドとは?

 2020年は東京五輪開催の年ということで、スポーティーなファッションがトレンドになると同時に、改めて日本独自の伝統や文化に対する注目が集まることが予想される。これを踏まえて鈴木氏は「ジャパンカラー」と「スポーティーポップ」の2つのメイクを提案している。

 ジャパンポップは、日本古来の化粧三原色である赤、白、黒を基調としたメイク。透明感のある肌、黒いアイライン、赤い口紅をベースに、和装メイクで施す紅を黒いアイラインの縁にさすのが特徴だ。一方スポーティーポップは、まぶたに引いた明るいダブルアイラインがスポーティーで近未来的な印象のメイクで、健康的な肌とオレンジリップが軽やかな印象を与える。

■関連情報
・資生堂 公式HP:http://www.shiseido.co.jp/
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