【12月3日 Relaxnews】11月22日から24日まで仏パリで、ファッション・スタイル・ビューティーをテーマにした短編映像祭「A Shaded View On Fashion Film (ASVOFF)」が開催された。 審査委員長を務めたドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)に、ファッションと映画の関係などについて話を聞いた。

―芸術作品としてのファッションフィルムに関心はありますか?

 私は、すべての映画がファッションフィルムだと思っています。ファッションデザイナーは日常の中で起きている小さなことに敏感で、日々良いイメージや、衝撃を与えたり考えさせたり、自分の視点を変えるようなことを見つけ出します。

―ASVOFFに参加した経緯は?

 (ASVOFFの創設者であるファッション・ジャーナリストの)ダイアン・ペルネ(Diane Pernet)はアイコン的な存在です。彼女は、長くこの業界を見ていますし、若いデザイナーへの支持も惜しみません。私が尊敬する女性であり、ファッション業界においても重要な人物です。ですから彼女に頼まれたとき、とても光栄だと思って快諾しました。

―良いファッションフィルムの条件とは何でしょう?

 観客の注意を引き、メッセージ性があることでしょう。『Jumper』(今年のグランプリ作品、ジャスティン・アンダーソン監督)に賞をあげた理由の1つは、4分間で1本の映画のように感じられたことです。観た者は、なにか考えさせられる、そんな作品でした。こうした異なる要素が、絶妙に組み合わさった作品だといえるでしょう。「誰も興味を示さなくてもいいから、ファッションを美しく見せよう」というものではだめです。メッセージ性があり、面白くなければなりません。

―パリ装飾美術館(Musee des arts Decoratifs)で先日まで開催されていたあなたのエキシビションでは、アーティストのデビッド・ミハウェック(David Michalek)によるスローモーションのフィルムのインスタレーションがありました。この展示のインスピレーション源は何だったのでしょう?

 エキシビションというのは、いわば静止画です。とくにファッションのエキシビションはすべてガラスの後ろに展示されています。小さな動画を見せることはできるが、服が生きているようには見えません。そこでパメラ(キュレーターのパメラ・ゴブリン)と私は服が動いているように見せる方法を探しました。私が作るファブリックや服は生きている人が着るものです。ですから私は人間の体に合わせて、服やファブリックがどう動くか、どのように体を形作ったり隠したりしてくれるかに多くの注意を払っているのです。(c)Relaxnews/AFPBB News