【10月17日 AFP】パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンほどの国際的な注目を浴びてはいないが、東京で開催されているファッションウィークは若いデザイナーたちの登竜門として評判が高い。

 しかし日本ファッションウィーク推進機構(Japan Fashion Week Organization)が運営を開始した10年前から今、東京は2つの大きな課題に直面している。世界市場の拡大による国内市場の縮小と、東京のポジションを奪おうとするアジア近隣国の活発な動向だ。新進気鋭の若手デザイナーにとってのショーケースの場というニッチな存在意義に、東京は満足しているようにもみえる。

■パリを発表の場に選ぶトップデザイナーたち

 ケンゾー(Kenzo)やイッセイ ミヤケ(Issey Miyake)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)など日本を代表するトップデザイナーたちは長い間、東京ではなくパリでショーを開催している。また、「サカイ(sacai)」や先月パリコレデビューを果たした「アンリアレイジ(ANREALAGE)」なども彼らの後に続いている。パリで発表する方が、世界中のバイヤー、そしてプレスへの影響が大きいからだ。

 こうしたバイヤーやプレスは東京に足を向けない。しかし、それはもったいないという見方もある。「この街はとても刺激的なのに」と、『ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)』のファッション・ディレクター、アンナ・デッロ・ルッソ(Anna Dello Russo)氏は語る。彼女によれば、若くクリエイティブなデザイナーたちは欧州だけでなく東京でもショーを行うべきだ。「私は将来有望な日本人デザイナーたちの作品を、東京のランウェイで見たいと思っているんです」