【7月17日 AFP】イランで行われたファッションショーで、女性モデルたちがイラン国旗をモチーフにした服を披露したところ、主催者はイラン当局から「新たな通知があるまで」無期限の活動禁止を命じられた。国内メディアが13日報じた。

 「ハウス・オブ・ファッション(House of Fashion)」社は6月下旬、サッカーW杯をテーマにしたショーを開催。女性モデルたちがイラン国旗や同国代表チームのシンボル、アジアチーターなどをあしらった衣服を披露した。

 ところが、イラン紙シャルグ(Shargh)が文化・イスラム指導省のハミド・ゴバディ(Hamid Ghobad)氏の話として伝えたところによると、このショーの開催許可をハウス・オブ・ファッション社が取得していなかったため、同社は今後通知するまで活動停止を命じられた。

 ショーの衣服制作を手がけた「イラン初のモデル事務所」を自称するバイオレット(Violet)社も同様の処分を受けたという。バイオレット社がデザインした服には、イラク国旗から「アラー(イスラム教の唯一神)」を示す文字が省かれていたとみられている。

 デザイン以外にも、保守派は親族でない男性が会場にいたことにも不快感を示しているが、「ハウス・オブ・ファッション」のジャバド・シラジ(Javad Shirazi)社長は、ショーで用いた服について「アラーの文字が入った国旗は使っていない。色が国旗と同じというだけだ」と説明。さらに、スタジアム限定での着用を想定した服だと釈明した。

 イランでは、スポーツの試合観戦でスタジアムを埋め尽くす男性観客による「粗暴な」雰囲気から女性を守るという理由で、女性のスタジアム観戦が禁止されている。(c)AFP