【5月19日 MODE PRESS WATCH】東京・国立西洋美術館で7月8日から9月15日まで古美術蒐集家、橋本貫志氏のジュエリー・コレクションを集めた「橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き」展が開催される。

 本展では、2012年に同館に寄贈された橋本コレクションから選定された指輪を中心とする約300点の作品と、同館所蔵の絵画20~30点、さらに神戸ファッション美術館所蔵のコスチュームを併せて展示。人類と指輪の歴史を辿る第一部、装飾品という観点で指輪を捉え、その時代のファッションとの関係を探る第二部、指輪と絵画の関係性を追う第三部で構成される。

■第一部:人類と指輪の歴史

 第一部では、古代エジプトから現代まで、その時代時代によって用途を変えた指輪の変遷を辿る。身の安全を祈願する護符として用いられていたもの、宗教において信仰の証として使われたもの、婚礼や死など人生の節目となる出来事を記憶するために作られたもの、大切な人物の細密画をはめ込み、愛情や友情の証として使われたもの、さらには「カルティエ(Cartier)」や「ブルガリ(BVLGARI)」などジュエリーブランドが制作した指輪などを幅広く展示。また、指輪の歴史を語る上で欠かすことのできないダイヤモンドの加工技術の発展を、指輪を通して紹介するスペースも設けられる。

■第二部:モードと指輪-ファッションを中心に

 第二部では、神戸ファッション美術館が所蔵する18世紀のロココ時代から20世紀初頭にかけての衣服や靴を指輪と併せて展示、指輪をモードの枠組みの中から捉え直す。18世紀のマリー・アントワネットに代表されるロココ時代の宮廷ファッションから、19世紀末から20世紀初頭の植物文様を多用したアールヌーヴォー時代、直線に基づいた幾何学モチーフが特徴のアール・デコ時代、そして20世紀前半のココ・シャネル(Coco Chanel)に代表されるファッションまで、それぞれの時代の流行を追った指輪を展示し、当時のファッションとの関係を紐解く。

■第三部:絵画に見る指輪、指輪に見る絵画

 国立西洋美術館の主要コレクションである絵画と、橋本コレクションの中核をなす指輪を併せて展示する第三部では、スペイン人の男性貴族を描いたヴァン・ダイクの絵画や、当時のパリのモードを反映した女性を描いたルノワールの絵画など、指輪を身につける人々を描いた絵画が並ぶ。また指輪に描かれた絵と、絵画作品や版画作品を比較展示することで、新たな切り口から西洋文化の魅力を探る。

 この他、期間中には講演会やスライドトークも開催予定。指輪を通し、ファッションや美術、ひいては人類の歴史までを辿る、ほかでは見ることのできない貴重な展覧会になっている。

【イベント概要】
「橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き」展
会期:7月8日~9月15日
開館時間:9:30~17:30
料金:当日/一般1,400円、大学生1,200円、高校生700円      
前売/団体:一般1,200円、大学生1,000円、高校生600円
※前売券は5月中旬から7月7日まで販売。ただし、国立西洋美術館では7月6日まで販売(一般のみ)。
※7月8日からは当日券販売。
※団体料金は20名以上。
※中学生以下は無料。
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)。
(c)MODE PRESS

【関連情報】
橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ー 時を超える輝き」展チケット応募ページへ
国立西洋美術館 公式HP:http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2014ring.html