【5月12日 MODE PRESS】シューズデザイナーのクリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)はヒールの魅力について映画『ファイア by ルブタン』のインタビューの中で次のように語った。「ハイヒールは女性にとってとても大切なもの。身体のラインを決める大切なパーツであり、自分の身体の表現力を広げてくれるものでもある。ほんの小さな面積で足を覆うだけにも関わらず、身体の見え方全てを変えてしまうものだ」。

 昔から世の女性の多くは、足元のオシャレに気を遣う。ルブタン氏の考える「ヒールの魅力=女性の魅力」は、いま街行く人々の足元を見ているだけでも時代と共に変化していることを痛感されられる。そんななかでも最近は、ハイヒールの靴に足首丈のソックスをコーディネートしている女性を多く街でみかける。「服を脱がせる靴を作りたかった」と語るルブタンの言葉とは裏腹に、美しさの定義も様々だ。しかし、そのスタイルは「シャネル(CHANEL)」や「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」、「マーク BY マーク ジェイコブス(MARC BY MARC JACOBS)」などのランウェイでも見られる。今回は、ソックスとヒールやパンプスの組み合わせを自分なりに取り入れて楽しんでいる10代~30代の女性に、そのスタイルについて取材した。

■雑誌に影響されたのがきっかけ

 「愛読している雑誌『ViVi』に載っているスタイルに影響され、ヒール×ソックスのスタイルを始めた」と語るのは10代の大学生。随分前からこのスタイルは定番になっていると言う彼女は、今では素足でヒールを履くよりもソックスを合わせることの方が多いという。周りでもこのスタイルは定着しているようで、友人の多くは、コーディネートのバランスとしても気に入っていると語った。

■ボトムスとのバランスが重要

 同じように、バランスを考えてソックスを合わせると語ってくれたのが、20代美容師の女性。白いシャツに白いソックスで、上品なプレッピースタイルの彼女は、丈の半端なスカートを履くことが多いため、それとのバランスを考えてヒールにもソックスを合わせることが多いという。また職場でもヒールにソックスを合わせたコーディネートの人は多く見かけるようになったと語る。

■休日気分を堪能できるスタイル

 また逆にソックス×ヒールは"オフの日の特権"と語ってくれたのは20代後半の会社員女性。仕事柄、普段はヒールやパンプスにストッキングや見えない靴下を合わせているものの、休みの日にはこうしたコーディネートにチャレンジすることもあるという。装いをあえてカジュアルダウンさせることで、休日を心から楽しめるのかもしれない。

■コーディネートのこだわりは?

 また真っ白いパンプスにショッキングピンクのソックスを合わせた20代の会社員女性は、その絶妙なコントラストが印象的だった。一方、30代の会社員女性は、かなり前からこのヒール×ソックスのコーディネートをしているものの、特にこだわりはないと語る。ソックスは履いたり履かなかったり、合わせるアイテムもその日の気分によって直感的に決めることが多いとコメントした。

 「ヒール × ソックス 」といっても、取り入れ方は人それぞれ。しかし、幅広い年代の人たちが自分たちなりのおしゃれ心で楽しんでいるのが印象的だった。今後も引き続き、このスタイルを追っていきたい。

参考:
ファイア by ルブタン:http://fire.gaga.ne.jp/
<14年春夏パリコレクション>シャネル:http://www.afpbb.com/articles/modepress/3000614?pid=12047728&p=4
<13年春夏NYコレクション>マーク BY マーク ジェイコブス:http://www.afpbb.com/articles/modepress/2900395
<12/13年秋冬ミラノコレクション>ドルチェ&ガッバーナ:http://www.afpbb.com/articles/modepress/2861205?pid=8548382&p=2
【石山佳奈・岩田奈那】(c)MODE PRESS