【5月7日 MODE PRESS】14年春夏パリ・オートクチュールコレクションで「シャネル(CHANEL)」が発表した、スニーカールックは世界中の人が度肝を抜かれた。伝統と職人の技によって、受け継がれてきたオートクチュール文化に、機能とテクノロジーを詰め込んだスニーカーを見事に融合させたのは、まさにカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)だけが成し得た偉業といっても過言ではないだろう。カールによって提案されたスニーカーの新しいスタイルは、ファッションのあらたな一面を引き出した。

■スニーカーは進化しつづける

最近では、「ナイキ(NIKE)」が「ジバンシィ(Givenchy)」のデザイナーを務めるリカルド・ティッシ(Ricardo Tisci)とタッグを組みスペシャルプロダクトを発表したり、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」とのコラボコレクション「GYAKUSOU」を展開し、大きな反響を呼んでいる。「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」はアンドレ・ポンピリオ(Andrea Pompilio)とコレクションを発表し、「アディダス(Adidas)」は「トップショップ(TOPSHOP)」とコラボするなど、スニーカーのあり方もブランドによって様々だ。1990年代にブームとなったナイキ・エアマックスも時代とともに輪をかけて進化を遂げている。最新の機能とテクノロジーを搭載したスニーカーたちは、留まることを知らない。カラーバリエーションやデザインも、ますますスタイリッシュになり、普段のおしゃれに取り入れやすくなった。そんなこともあってか、街ではスニーカー愛用者が格段に増えている。年齢も幅広くさまざまではあるものの、ファッションに敏感な20代~30代の女性たちも、おしゃれなスニーカーライフを存分に楽しんでいるようだ。


■魅力はなんといってもその歩きやすさ

 今回取材した女性の多くが魅力として挙げたのは、やはりその履きやすさと歩きやすさ。中には、「急いでいるときにいつでも走れるよう、足元はほぼ毎日スニーカー」という人や、「身長が高い」、「ヒールだと歩けない」という理由からスニーカーしか履かないという人もいた。また「たくさん歩く日はスニーカー」、「ランニングをすることが多いのでスニーカーが多い」など、自分のライフスタイルに合わせてうまく取り入れている人たちも多かった。

■豊富なカラーバリエーション

 日常的に履きこなしている人たちは、スタイリングに合わせてその日に履くスニーカーを選んでいる人がほとんど。おしゃれのコツは、ほかのアイテムと色を合わせたり、逆にスニーカーの色を差し色にして、ほかのアイテムと色のトーンを揃えること。普段運転することが多いためほとんど毎日スニーカーという20代会社員女性は、どんなスタイルにも合わせやすいよう紺をチョイス。また、全身黒のコーディネートに紫の「ナイキ」を合わせた20代の女性や、肩にかけたセーターと同じ赤色の「ニューバランス」を合わせた20代の会社員女性など、スニーカーをあえて目立たせるスタイルも見られた。

■コーディネートの壁

 スニーカースタイルで多くの人が悩むのが、ソックスとの合わせ方。丈の長さや柄によっては古くさく見えてしまうので注意が必要だ。おしゃれ上手な人のスタイルを見てみると、プレッピーなストライプなど、あえて存在感を強調する柄物のソックスと、くるぶしソックスなどを着用して素足に見せる人とが半々に分かれた。一方全員に共通していたのが、素足を見せる部分をつくること。ジーンズなど丈の長いものはロールアップして隙間を作ると、ほどよい抜け感とこなれたスタイルを演出できる。

■自分だけの特別な一足を見つける

 また今回の取材でおもしろかったのは、取材した場所柄もあってか、定番ブランドとして多くの人が挙げたのが「コンバース(Converse)」、「ナイキ(NIKE)」、「ニューバランス(New Balance)」だったことだ。こうした定番ブランドを取り入れつつお気に入りの一足を見つけることが、自分らしいスニーカースタイルを楽しむためのコツのようだ。

 彼にクリスマスプレゼントでもらったという「ニューバランス」のスニーカーを履いていた20代の女性は、「コンバース」や「ナイキ」も持っているものの、最近はデザインと履き心地が気に入っている「ニューバランス」を履くことが多いという。またデザインに惹かれて購入した「ナイキ」の限定シューズがお気に入りだという20代の会社員女性も。さらにスニーカーは7,8足持っていると語ってくれた彼女のお気に入りは、「ユナイテッド ヌード(UNITED NUDE)」のスニーカーだ。

 街の多くの人が、定番のベーシックなデザインと自分らしさを、色やデザイン、機能、ブランドなどさまざまな角度から観察しながら、自分流のオシャレを探し求めている。人それぞれのスニーカースタイルを今後も引き続き、取材していきたい。【石山佳奈・岩田奈那】(c)MODE PRESS