【4月5日 AFP】ロシアによるクリミア(Crimea)半島の自国編入を受け、米ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)が同地域での営業停止を決定した。それを4日に知ったクリミア人は、当分ビックマック無しで過ごさなければならないことを残念がっている。

 マクドナルドは声明で、(営業停止は)「会社の管理下にない、製造上の理由」により決定されたとしている。声明はウクライナ語でウェブサイトに掲載されたほか、店舗の入り口にもテープで貼られた。

 前日までマクドナルドで楽しく働いていたリリア(Lilia)さん(21)は、店の入り口ドアの前で、晴天のへきれきだと語った。「もうキエフ(Kiev)から材料が送られてこないから、閉店すると言われたの。笑い出す人もいたし、泣く人もいた。とにかく突然だった」

 ロシアのウクライナへの軍事介入を受け、米国と欧州連合(EU)はロシア政府高官に懲罰的措置を科し、さらに経済制裁を広げるとの見解を示している。経済制裁の拡大は、広範にロシアに進出するマクドナルドや他の企業の営業にも影響する可能性がある。

 ウクライナの郵便サービス事業も、国際郵便を調整する国連機関に対し、ロシアのクリミア編入で「郵便物の配達に困難が」生じたため同地域への郵便サービスの停止を要請した。

 マクドナルドはクリミアの主要都市シンフェロポリ(Simferopol)やセバストポリ(Sevastopol)とヤルタ(Yalta)の港で「機会があればできるだけ早く」営業を再開したいと述べている。

 また、クリミアの従業員にはウクライナの他地域のチェーン店での就職と、その家族の引っ越し費用の負担を約束している。しかしリリアさんによると、それに応じそうなのはマクドナルドのクリミア従業員200~300人のうちのほんの一握りだという。(c)AFP/Clement ZAMPA