【6月15日 AFP】世界各地で性の多様性の容認に向けた動きが広がるなか、オーストラリア政府は、公的文書に記録される性別として、個人が「男性」や「女性」の代わりに「不確定/インターセックス/不特定」という第3の選択肢を選べるようにすることを定めた新指針を発表した。

 マーク・ドレフュス(Mark Dreyfus)連邦司法長官によると、7月1日に発効するこの新指針により、トランスジェンダーやインターセックスといった人々は、各連邦政府機関の保管する個人記録上の自分の性別を明確化したり、変更したりすることがより容易になるという。

 ドレフュス長官は13日に発表した声明のなかで、「人々は、出生時や幼少時に与えられたものとは異なる性別や不確定な性別として、自己を認識したり社会から認められたりできるべきだと、われわれは認識している」と述べている。

 新指針では、「セックス(生物学的性別)やジェンダー(社会的性別)の情報が収集され、個人記録の中に記録される際、個人は「M」(男性)、「F」(女性)、「X」(不確定/インターセックス/不特定)という選択肢を与えられるべき」と定めている。

 既存の性別記録を変更する際、性別適合手術やホルモン療法の有無は問われない。性別変更の申請は、医師または精神分析医による報告書、または有効期限内の豪パスポート(オーストラリアでは数年前からパスポートの性別に「X」の選択肢が加えられた)、州・特別地域の出生証明書など、自分が変更したい性別を示す書類の提出をもって受け付けるという。(c)AFP/Madeleine COOREY