【1月28日 MODE PRESS】遊び心のあるデザインと職人によるハンドメイドを特徴とする米シューズブランド「ザ オフィス オブ アンジェラ スコット(The Office Of Angela Scott)」。ブランドの定番であるオックスフォードシューズ“Mr. Smith”や履き心地の良いヒール“Mrs. Smith”をはじめ、定番から新作まで多彩なシューズを取り揃えている。デザインを手がけるアンジェラ・スコット(Angela Scott)氏に、シューズ作りのこだわりや最新の13年春夏コレクションについて話を聞いた。

-毎日履けるデイタイムシューズ

 実は私自身、高いヒールの靴しか履きませんでした。自分で作ったオックスフォードシューズが私にとって初めてのフラットシューズになりました。長年これだと思えるフラットシューズに出会えなかったので、自分が履きたいと思うシューズをデザインしました。今は、とても楽なのでフラットシューズをよく履くようになりました。ヒールの靴にしても、フェザーなどが付いたイブニングシューズではなく、私が作るのは毎日履けるデイタイムのシューズです。毎日履くということで、最近はよく“低めのヒール”をリクエストされます。

 靴は全てハンドメイドで、できるだけナチュラルでクリーンな仕上がりにしています。ソールやヒールにもメタルを取り入れず、レザーやコルク、原木など天然の素材を使っています。痛んだ靴は引き取り、ソールの張替えをします。できるだけ底にラバーを貼ることなくレザーソールを楽しんで欲しいと思っています。

-マニッシュシューズの魅力

 ここ数シーズンでマニッシュシューズがトレンドですが、ブランドにとってはとても良いタイミングだと思います。私自身は、定番のようにオックスフォード履いているので“トレンド”ではありませんが、若い女性に伝統ある靴を“お洒落”だとアピールできる良い機会だと思います。オックスフォードは、バレエシューズと同じくタイムレスなデザインです。例えば50年前や30年前のハリウッド女優はみな履いていました。いまトレンドになって特に注目を集めていますが、今後、より人気で受け入れられやすいものになるでしょう。これまではメンズのアイテムという印象が強かったですが、より女性に身近になっていくと思います。

-13年春夏コレクションは“テキサス”
 
 13年春夏コレクションは、“テキサス”から多くのインスピレーションを得ました。故郷のカリフォルニアから現在仕事の拠点とするテキサスに移ったことは、私にとって大きな変化でした。新しい場所で目にした乗馬文化やウエスタンシャツから得たヒントを私らしく表現しました。スタッズが施されたゴージャスな馬のサドル、ステッチが美しいカウボーイのシャツなどのディテールをデザインに落とし込んでいます。ソール部分にハンドメイドで施した細かいスタッズはお気に入りのポイントです。また、長い時間履いていても疲れないように、これまでよりもヒールは若干太くしましています。友人からのリクエストでもあり、私自身もラインアップに加えたいと思っていたので、ブランド初のバレエシューズも作りました。

-ブランドを根強く支持してくれる顧客

 アメリカでは、だいたい私と同年代の30代前半から50代ぐらいの顧客層が中心です。50代ぐらいの方はリタイアした元ビジネスウーマンなど裕福でファッショナブルな女性が多いですね。ブランドをスタート当初はその年代の方が顧客になるとは思っていなかったので嬉しい驚きです。つい最近では、グレイヘアーで上品な身なりの女性がショップに訪れ、一番派手なレッド×ピンクのシューズを買ってくれました。“クオリティ”を求めている方がほとんどですね。(c)MODE PRESS