【9月26日 AFP】フェースリフトや豊胸手術はもう古い──米カリフォルニア(California)の美容整形の最新トレンドは「美尻」だ。ヒップアップに始まり、ふっくらとした桃型のお尻やなめらかなお尻を手に入れたいなど様々な要望がある。

「ともかく自分がハッピーじゃないことは分かってた。それで自分が幸福になれるために何かをしようと思い立った」。21歳のクリスティーナさんは、ビバリーヒルズ(Beverly Hills)にあるアシュカン・ガバーミ(Ashkan Ghavami)氏の美容整形クリニックで美尻手術を受けた理由をこう語った。

 ガバーミ氏の美尻整形はインプラントではなく、腹部など施術を受ける人自身の体の脂肪を臀部に注入する手法だ。これまで700人余りが、この手術を受けた。

 49歳の会計士の女性が、ガバーミ氏の美尻整形手術を受けることを決めたのは、鏡を見て自身の体に「ダイエットをしてもエクササイズをしても、効果が及ばない部分」があることに気付いたためだという。「49歳になって初めて(美容整形しても)いいんじゃない?と思えた。気分も見た目も良くなるし、これまでより上手く服も着こなせるんだから」

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los AngelesUCLA)デービッド・ゲフィン医科大学院(David Geffen School of Medicine)の臨床学准教授も務めているイラン系米国人のガバーミ氏は、ハリウッド女優たちが美尻を求める女性たちの欲求をかきたてていると指摘する。「美容整形では胸に注目する人が多く、お尻の美しさを気にするようになったのは本当につい最近。だが、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)やジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)のおかげで、インプラントよりも自然な当院の美尻整形が知られるようになった」とAFPに語った。

 カバーミ氏はこの美尻手術を7年前から手がけている。施術費用は9000ドル(約70万円)~1万6000ドル(約124万円)程度で、ロサンゼルス(Los Angeles)に住む黒人、ヒスパニック、ゲイ、 トランスジェンダーの人々が主な顧客層だ。

 しかし、人知れず美を手に入れたいならば、やはり多少の痛みは覚悟せねばならない。「脂肪吸引術ではその部位を小さく切開してカニューレ(吸引管)を挿入し、殺菌容器に脂肪を吸引する。そのい脂肪を洗浄して注射器で臀部に注入する」。カバーミ氏の施術では脂肪の臀部注入の際に皮下を均等にならす技術を用いているため、セルライト(堆積脂肪)も解消できるという。

 米形成外科学会によると、2011年に米国内で行われた整形手術は1380万件で、前年から5%増えた。最も多い整形は豊胸手術で、次いで鼻の美容整形、脂肪吸引、フェースリフトと続く。

 だが、美尻整形の人気も2011年には前年比で38%増と急上昇中だ。これまでにカバーミ氏が行ってきた美尻整形手術700件の多くは過去3~4年以内のものだという。

 施術を受けた人々にとっては、まさに人生が変わる体験になると、カバーミ氏は言う。「費用をかけるだけの価値はある。自分の体型に満足できていないとき、すぐそこに解決方法があるのだから。周りの人たちや夫との関係も良くなる。そして自分に自信が持てるようになる」(c)AFP/Leila Macor